思えば2014年以来、毎年年末にこの人のボクシングの中継を見てるんだが、やはりこの人、バケモノだ…(;゚Д゚)
<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇30日◇横浜文化体育館
同級王者井上尚弥(24=大橋)が、挑戦者の同級6位ヨアン・ボワイヨ(29=フランス)を3回TKOで下し、7度目の防衛に成功した。
圧倒した。1回残り約15秒、左フックが相手のアゴを的確にとらえ最初のダウンを奪うと主導権を握った。3回には左ボディーで立て続けに3度のダウンを奪ってTKO勝利。自身の成績を15戦15勝(13KO)とした。
ハンパない強さだった。1回から相手のガード上から、強烈な右フック、左右のボディーを浴びせ続けた。「(パンチの)感触はめちゃくちゃありました。左は常に自信を持っているパンチ。当たれば倒れてくれるという感触があった」。3回の3連続ダウンを奪った強烈な「左」で相手を沈めたシーンを冷静に振り返った。
試合を終えた井上は来年の抱負を聞かれると、もはや敵なしとなった同階級への“卒業”をほのめかした。
「スーパーフライ級では統一戦もできないだろうし、バンタム級にいきたいなと自分の中では思っている」。涼しげな表情を浮かべた井上が、階級を上げる意思を示した。
ちなみに会場の横浜文化体育館は母校の大学の入学式が行われたとこでしたわー。卒業式はみなとみらいのパシフィコ横浜国立大ホールだったんすけどね。ある意味で懐かしい。
スポンサーリンク
Contents
しかしこんな日本人ボクサー、本当に見たことがない。
これで4年連続、井上選手の中継を見てしまったんですが、
・ボクシング・井上尚弥選手に「恐ろしい世界王者が出たもんだ。」と戦慄した。(2014/12/31)
・ちょうど去年の今頃に「井上尚弥というボクシングの世界王者、恐るべし」という記事を書いてたんですが…。(2015/12/29)
・年末に3年連続でボクシングの「怪物」井上尚弥選手の世界戦の中継を見てたんですが…いやあ凄すぎる。(2016/12/30)
2014年に対戦した相手は「名チャンプ」と呼ばれていた選手だったそうですが、その選手をして「あのパンチはおかしい。何かグローブの中に仕込んでんじゃないのか?」とクレームが入ったというぐらいのワンパンチの凄さと、テクニックの巧さと…何よりも凄いのは「対戦相手と次元が違う」としか言いようがない強さ、ですねえ。
私がボクシングを見始めたのは中学の頃に大橋秀行選手(今の大橋ジムの会長さんですね。現在はぽちゃぽちゃされてますが当時は最軽量のストロー級のボクサーでした)がこれまでの世界戦の日本人挑戦21連敗とか続けていた時代を止めた頃だったんですが、「強い」ボクサーと「巧いボクサー」は何人もいましたし、世界王者になった人もいましたが、ここまで「凄い」ボクサーは正直記憶に無いです。長谷川穂積・山中慎介の両チャンプももちろん凄いボクサーではあるんですが、「本当に日本人ボクサーでここまで凄まじいのが出てくる時代になるとは…」と。粟生隆寛元チャンプがもしかしたらこんなボクサーになるのかな?と頭によぎったその1.5倍ぐらいの凄さを感じますしね、井上尚弥チャンプには。
※本当は歴史的比較はしちゃいけないんですが、これを見てると亀田三兄弟の「格下ばっか狙ってた」マッチメークの妙さは何だったん?と思うぐらいに(苦笑)
相手は31連勝中だったそうですが…。
https://twitter.com/rzND9cObsu33IWl/status/947072921255555072
1回のフック気味なのかカウンター気味なのかはわからんのですが、とにかく相手が打ってきたところを、視線の更に隅っこから左を出してきてダウンを奪ったのを見てパソコンチェアから立ち上がってしまいましたわ(ちなみにテレビはパソコンデスクの斜め左に置いてあるんですけどね)。
その後も、
もう3Rで決めに入ってますもの。
「こんなに強いとは…」と、挑戦者のポワイヨ選手の表情を見れば一目瞭然でした。
で、ほとんど顔が腫れてないしな…。
「いや、本当に強い。というかバケモノだこのチャンプ…」としか言いようがないKO劇でしたわ。
しかもチャンプ、ほとんど顔が腫れてないし。
いやよく見ると薄く赤く腫れてるかな?って感じではあるんですが…なんだろう、この「ちょっとコンビニに雑誌を買いに来ました」ぐらいの勝利者インタビューの淡々とした喋り方は。
これはひょっとしたら無敗…は厳しいかもしれませんけど、本場・アメリカで歴戦を重ねれば、マニー・パッキャオのような6階級制覇とかすごい記録を達成できるスーパーチャンプになれるかもしれませんね。あとはあまりにも強すぎるパンチ力で自分の拳を痛めないように気をつける事だけ、でしょうね。ここまで強いとたぶんボクシングはストイックでしょうし、何よりもチャンプ自身が「ボクシングが大好き」でしょうから「慢心」とか「油断」とかそういうのもないでしょうね…。
「彼と同じ時代に生きている幸せを感じる」
やはりこの井上尚弥という選手を思うにいつも思い出すのが、文豪・夏目漱石が、明治・大正期の落語の名人だった3代目・柳家小さんを称したこの言葉ですね。
「小さんは天才である。
あんな芸術家は滅多に出るものぢやない。
何時でも聞けると思ふから安つぽい感じがして、甚だ気の毒だ。
実は彼と時を同じうして生きてゐる我々は大変な仕合せである」『三四郎』夏目漱石三代目 柳家小さん 豊竹屋 https://t.co/SCTXFdKiRJ
— katsuki fumitake (@katsuki23) February 24, 2016
「彼と同じ時代に生きている我々は大変な幸せである」
この言葉に尽きますわ。
…ただ、ボクシングが好きな1ファンとしてたぶん無理な希望だろうけど…、一言言わせてもらえば、
井上尚弥対山中慎介戦は一度は見てみたい。
あの「神の左」を持つ山中チャンプが、この「怪物」井上チャンプをどう攻略していくのかは頭のなかで想像するだけでも震える思いがしますな…。
▼ランキングに参加してます。クリックよろしくおねがいします。