・ロッテ・平沢大河が〝吉井流〟で生かされるユーティリティー性 8年目の開花とチームの象徴へ(サンスポ)
去年までの井口監督の「レギュラー固定」方針だと「帯に短くたすきに長し」でどうも使いづらかったけども、それでもユーテリティさが持ち味の平沢大河を、吉井監督は「うまく」使おうとしているようですね。なるほどなー。
ロッテ担当・武田千怜記者のコラム「アナザーストーリー」です。平沢大河選手について取り上げています。https://t.co/ubQMBh65i8#chibalotte #MarinesSpringCamp #平沢大河 #サンスポ
— マリーンズ情報@サンスポ (@sanspo_marines) February 17, 2023
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」の宮崎強化合宿が17日にスタート。岡本和真内野手(26)=巨人=がキャンプ中から本職の三塁だけでなく、左翼の守備練習に取り組むなど、チームのためにどこでも守る姿勢を見せているが、ロッテにも同様の選手がいる。
2016年に宮城・仙台育英高からドラフト1位で入団し、8年目を迎えた平沢大河内野手(25)。パンチ力のある打撃が持ち味の左打者だが、18年に112試合に出場したあとは出場機会が減少…。20、21年は1軍出場がなく昨年は13試合の出番にとどまった。そんな平沢が16日までの全5試合(練習試合)に出場中。内野手登録ながら内野での出場はなく、4試合で中堅の守備に就いた(1試合はDH)。
今季から指揮を執る吉井理人監督(57)は、この起用法に意図を持つ。「バッティングを生かすのにどうしたらいいかなって考えたら、いろんなポジションを守れた方が彼は試合に出やすい」と説明。「内野も含めてピッチャー、キャッチャー以外はどこでも守れる選手になってほしいと考えている」と期待を込めた。
その先に描くのは、平沢のユーティリティーさを存分に生かした新たな起用だ。指揮官は「あまりこういうやり方は日本ではしないですが…。スタメンのどこかを1試合ずつ休ませるとして、どこでも守れたら1週間で5、6試合に出られるかもしれない。そういう選手になれればいいなと」と、〝10人目のレギュラー〟としての可能性を打ち明けた。
例えば、火曜日に二塁レギュラーの中村奨を休ませる場合は平沢が先発出場する。水曜日に三塁の安田を休ませるときも平沢が先発する。こうすることで、レギュラーに休養日を与えて疲労を軽減する。一方で平沢の出場機会が増える。まさに一石二鳥の用兵だ。
今キャンプの守備練習では三塁、遊撃、二塁、外野と様々なポジションでノックを受ける平沢の姿があった。「全ポジション、チャンスがあればと思ってやっている。そのために、まずは打たないと」と力を込める。
2年連続でセ・リーグを制したヤクルトの高津監督は、選手をうまく休ませながら戦うマネジメント力が注目された。打てるユーティリティープレーヤーの平沢が、選手のコンディションを重視しながら戦う吉井ロッテの象徴になるかもしれない。
そうなんすよねえ、井口監督のやり方だとレギュラーの面々が調子が良ければそのままズドーンと勢いで勝ててしまうんですが、個々の調子が落ちてきたらそこから「打開」するような選手が出てこなくなってたんですね(特に去年は「そういうとこ」で打開できていたレアード様・マーティン様が絶不調だったので本当に大変だったわけですから)。つまりは「既製品的な選手を使う」ことはできても「未完成な選手をそこから育てる」ことがなかなかできなかったんですよね。
ゆえにどうも9回2死で例えば中村奨吾あたりがラストバッター的に出てきたら「なんか本人も、ベンチもあきらめムード」って感じで「あれはよくねえなあ、もっと出てこないもんかなあ」とこの5年間、特に去年の1年はそれを思うことが多かったので、「休ませる時は休ませる。そして休ませる時にはちゃんと他の選手にもチャンスを与えて」相乗効果でチームの戦力を強くしていく…という吉井監督のやり方は理にかなってるような気がしますね。
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いやー、平沢大河はマジで「居残り佐平次」のようになってくれ(笑)
で、一昨年あたりから、たまに取り上げてる平沢大河に関する記事では、「とにかく結果を残して居残れ。結果を出せばショートに専念したいって要望も聞いてもらえるかもしれないし」みたいなことをよく書いておりました(個人的には外野手でもどこでもいいからレギュラーと天下をとっちゃえ、って思ってますが(苦笑))。
その記事の際にいつもアイキャッチャーの画像として使ってたのが、
個人的には、非常に敬愛してやまない立川談志師匠の「居残り佐平次」でした(笑)。
↑1979年、談志師匠当時43歳。勢いが凄いです(^_^;)
いずれも以前の記事は「平沢大河、どーにか1軍に居残れ」という意味合いでの「話のオチ」として使わせてもらってました…が、ところが、この「居残り佐平次」って古典落語はこんなあらすじなんですね。Wikipediaからの引用ではありますが…。
貧乏人たちが集まる長屋で、その一人・佐平次という男が品川宿の遊郭に行こうと周りを誘う。当然、貧乏長屋の住人らに遊郭で遊ぶような金はないが、佐平次は気にするなという。品川の遊郭にやってきた一同は、佐平次を信じて飲めや歌えで遊び尽くし、一泊する。翌朝、佐平次は理由をつけて自分はもう一泊する旨を仲間に告げ、皆を帰してしまう。その後、勘定にやってきた店の者に佐平次は、先程帰った仲間が代金を持ってくるなどと言ってはぐらかし、今度は一人で飲めや歌えで遊び、また一泊する。翌日になり、再び店の者が勘定にやってくるが、やはり佐平次ははぐらかし、また同様に一泊する。やがて痺れを切らした店の者に詰問されると、佐平次はまったく悪びれず「金は無い」「仲間は来ない」と答える。店が騒然となる中、佐平次はまったく慌てず自ら布団部屋に入り「居残り」となる。
やがて夜になって店が忙しくなると、店の者たちも居残りどころではなくなってくる。すると、佐平次は頃合いを見計らって布団部屋を抜け出し、勝手に客の座敷に上がりこんで客あしらい(幇間)を始めた。居残りが接待する珍妙さと、佐平次の軽妙な掛け合い、さらに謡、幇間踊りなど玄人はだしであり、客は次々と佐平次を気に入り、佐平次は相伴に預かったり、祝儀までもらい始める。客が引くと佐平次は再び布団部屋へと戻り、また夜になると客あしらいを始め、数日後には客の方から、あの居残りを呼んでくれと声まで掛かるようになってしまった。本来の客あしらい(幇間)である店の若い衆らは、佐平次の活躍の分だけ、祝儀などをもらえなくなってしまったために、もはや勘定はいらないから佐平次を追い出して欲しいと主人に訴え出る。
佐平次を呼び出した店主は、もはや勘定はいらないから帰るように言う。しかし、佐平次は理由をつけて居残るようなことを言い身の上話を始めたりする。仕方なく店主は、さらに佐平次に金を与えるが、佐平次はさらに煙草まで要求して飲ませ、ようやく佐平次は店を出る。
店から離れたところで佐平次は、心配で後をついてきた若い衆に、自分は居残りを生業としている居残り佐平次だと名乗る。さらに佐平次は店主はお人好しだと馬鹿にするようなことを言ってその場を去る。急いで店に帰ってきた若い衆は、店主にそのことを話す。話を聞き激怒した店主は「ひどいやつだ。私をおこわにかけやがったな」 と言う。それに対し、若い衆が一言。
「旦那の頭がごま塩ですから・・・」
ポイントはもちろん、↓ここのあたりですね。ちょっと改行を入れてみましたです。
やがて夜になって店が忙しくなると、店の者たちも居残りどころではなくなってくる。すると、佐平次は頃合いを見計らって布団部屋を抜け出し、勝手に客の座敷に上がりこんで客あしらい(幇間)を始めた。
居残りが接待する珍妙さと、佐平次の軽妙な掛け合い、さらに謡、幇間踊りなど玄人はだしであり、客は次々と佐平次を気に入り、佐平次は相伴に預かったり、祝儀までもらい始める。客が引くと佐平次は再び布団部屋へと戻り、また夜になると客あしらいを始め、数日後には客の方から、あの居残りを呼んでくれと声まで掛かるようになってしまった。
本来の客あしらい(幇間)である店の若い衆らは、佐平次の活躍の分だけ、祝儀などをもらえなくなってしまったために、もはや勘定はいらないから佐平次を追い出して欲しいと主人に訴え出る。
つまりは当初は遊郭に「客」として来たのに支払いができないので「帰れない=居残り」する羽目になったのに、玄人はだしの「もともと持ってた才能」としか思えないモノを発揮して幇間(たいこもち)を始めてしまいお客さんに気に入られてご祝儀どころかご指名までかかるようになっちゃった、という点なんすね。この時に声がかかる時に「おーい、いのどーん」と言われるとこがいいんすよね、これ(笑)。
まあこんな感じに、この平沢大河も、さすがにプロ8年目でさすがに結果を出さないとかなりやばい「がけっぷち」なシーズンになっていくでしょうから、公式戦でも代打でも代走でも守備固めでもなんでもいいから「おーい、ベンチに誰が残ってる?」「大河がいます」「おーい、大河ーっ、ひとつ仕事してこい!!」てな「いのどーん」みたいな感じで声がかかって、投手・捕手以外だったらどこでも守れる才能と器用さもじゅうぶん発揮して、とにかく最初はワンポイントでいいからベンチやお客さんたちを唸らせる「いい仕事」をひとつずつこなして行ってほしいなあと思いますです(ゆえにバントはもっと練習しろよ?(号泣))。
いっそのこと、外野手のレギュラー陣から「大河が”ワンポイントで”いい仕事をしすぎてるから俺らの活躍が目立たねえ」ぐらいのぼやきが出るぐらいに頑張ってほしいですね。たとえば角中パイセンとか岡大海あたりから(苦笑)で、たまには巡ってきたサヨナラ勝ちのチャンスでここぞという場面で後悔なくフルスイングしてホームランでも見せてくれればこれ以上の嬉しさはないですねえ(感涙)。
もちろん、これは平沢大河に限らず、外野手だったら藤原恭大もそうでしょうし、大河同様内野・外野守れるって意味では三木亮も、更に内野手の選手たちはショートを守れる選手があぶれている感じなので、「ワンポイントから頑張ればちゃんと評価してくれる、俺らを見てくれている」と思いいろいろなポジションに挑戦して奮起する選手はかなり多いと思いますね。意外に去年は怪我と不調で大いに苦しんだ藤岡裕大が外野も守れるようですし、こんな感じで「活きる」ことになって、大河と裕大が何年もかけて繰り広げていた正遊撃手大戦争(?)がいっその事ほとんどのポジションに波及していけば…なんて思う次第です。それこそ9回2死で試合に出てる・出てた連中は疲れもあって内心諦めてるかもしれないけど、ベンチの出番を待つ面々は「俺を使ってくれ」と、誰一人まだまだ諦めてないみたいなギラギラしたチームになってほしいですね。
そういやバスケでも「シックスマン」っていうスタメン級5人の後ろにベンチで控えているユーティリティプレイヤーなプロフェショナルな選手たちが歴代いましたね、NBAなんかでも。故にそこを極めて見るのも成長過程としてはおもしろいんじゃないでしょうか。以上です。
↑やはりこの写真を。なんか談志師匠の愛嬌あるとこがちょっと平沢大河にも似てるような(^_^;)
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