照ノ富士関、本当に序二段に落ちても辞めなくて良かったねえ…(感涙)

・照ノ富士が奇跡の大復活Ｖ、序二段経て30場所ぶり(日刊スポーツ)

今場所は、朝乃山、正代、御嶽海、そして照ノ富士…と「どの力士も勝てばドラマチックだし、どの力士にも勝たせたいなあ」と思うような4力士だったんでどーなるかと思ったら、照ノ富士が本割で一発で決めまして…ほんとに良かったねえ(感涙)

＜大相撲7月場所＞◇千秋楽◇2日◇東京・両国国技館
14場所ぶりに幕内復帰した大関経験者の東前頭17枚目照ノ富士（28＝伊勢ケ浜）が、30場所ぶり2度目の優勝を果たした。
3敗の単独トップで迎えた千秋楽。敗れれば優勝決定ともえ戦にもつれ込む本割の関脇御嶽海との一番を制し、13勝目を挙げた。14日目には同部屋の照強が新大関朝乃山を破る“援護射撃”も受け、15年夏場所以来の優勝が決まった。殊勲賞、敢闘賞の三賞2つも獲得した。
両膝の負傷や内臓疾患に苦しんだ男が、4カ月ぶりに再開した本場所で主役となった。大関経験者が関脇以下で優勝するのは昭和以降では2人目。優勝と優勝の間で十両以下に陥落した力士はおらず、史上初の快挙となった。
初優勝から5年2カ月がたっていた。当時の優勝は初土俵から所要25場所で、年6場所制となった1958年（昭33）以降では貴花田、朝青龍に続き歴代3位となるスピード記録。その場所後には大関昇進を決めるなど“次期横綱”の呼び声が高かった。
しかし昇進後は両膝のけがに加えて、糖尿病や肝炎にも苦しみ、17年秋場所で大関から陥落。「大関から落ちて親方に何回も『やめさせてください』って言いに行った」と気持ちは切れかけたが、師匠の伊勢ケ浜親方（元横綱旭富士）に「とりあえずは治してから話をしよう」と引退を慰留された。1年以上かけて土俵に戻る決心を固め、昨年春場所に西序二段48枚目で本場所に復帰。負け越し知らずで番付を上げ、初場所で再十両。返り入幕となった今場所、ついに“奇跡のカムバック”を実現させた。

いや、本当に師匠の伊勢ケ浜親方も辞めさせなかったし、照ノ富士関も辞めなかったなあとしみじみ思いますわ。

御嶽海関も関脇以下で2度も優勝しているとても強い力士で、勝てば優勝決定戦進出だったんですが、

いやー照ノ富士、すごかった。そして御嶽海、惜しかった。

「前頭17」。つまりは幕尻からの平幕優勝、という次第でした。

公傷制度による休場が無くなった影響でもあるんですけどね。

一昔前だと「公傷制度」という本場所などでの怪我で休場する際には番付が低下しない制度があったんですが、これもあまりに幕内力士の上位陣が申請しまくって「すぐに休むようになってしまった」んで、これが廃止されることとなり引退と紙一重の横綱は別にして大関なんかも怪我による休場による陥落や、調子が悪くても休まずに出場して負け越したりしてあっさり陥落する事も増えたような気がします。

なので過去のデータ的には、

◆記録ずくめの復活V　30場所ぶりの優勝は、琴錦の最長43場所ぶりのブランクに次ぐ。優勝制度ができた1909年（明42）夏場所以降、平幕優勝は32人目。幕尻優勝は初場所の徳勝龍以来、史上3人目。返り入幕の優勝も徳勝龍以来。優勝と優勝の間で十両以下に落ちたケースはなく、序二段まで落ちて幕内復帰を果たしての優勝は史上初。照ノ富士が初優勝した15年夏場所は関脇で、関脇以下で2度の優勝は貴花田、琴錦、御嶽海らに続いて8人目。

となるわけですね。

それと昭和30年代に佐田の山という後に横綱になった幕内に入ってきたばかりの幕尻の番付にいた力士が上位陣との対戦が全く無いまま初優勝してしまったことから、一時期は「幕内の下位の力士でも優勝争いに絡む場合は横綱・大関とぶつける」と慣例ができたんですがこれまた近年は取り組みの編成が難しいようでなかなかお目にかからなくなってしまったのと(1月場所の徳勝龍、今場所の照ノ富士は最終盤で大関戦がありましたけどね)、怪我による番付の急降下が珍しくなくなったんで「大関・三役クラスの強豪が、幕内下位にいて、そこから大ブレイクもありうる」という状況になったのが以前の大相撲と少し変わってきたのかなあと思いますね。

勿論、2横綱1大関が怪我などで休場しちゃったのもかなり影響はあるんですが…しかし今場所ほど残された1大関と両関脇が好調をキープし続けて、最後に序二段まで落ちて「地獄を見て」戻ってきた元大関の照ノ富士が優勝するとは、とこれほど「おもしろかった本場所」も近年はなかなかなかったなあと思いますです(と書いたら大横綱の白鵬に失礼かもしれませんがね(苦笑))。

いやー、願わくば、照ノ富士にはさっさと大関に戻ってもらって、朝乃山・御嶽海・正代と共に(良くも悪くも)白鵬1強時代を終わらせてひとりでも多く横綱になってほしいですわ。本当におめでとうございます。