・終わるようで終わらない「AMラジオ」の世界(ITメディアニュース)
こないだTBSラジオ大幅減収のニュースの話をしたばかりなんですがこんな興味深い記事もありましたので。いやーAM局が挙って「FMっぽい番組」を始めたりしたらそれがもう「終わりの始まり」以外の何物でもないと思うんだけどな…。
最近は本当に私、テレビを更に見なくなりましてだいたい朝から夜、下手したら寝る時もラジオつけっぱなしでオフタイマーかけてるぐらいでして(^_^;)
ちょっと引用が長くなるので3つに分けますです。
2月1日から、一部のAMラジオ局が放送を休止することがわかった。これは、「停波」ではない。最長で来年1月末まで実際に放送を止めてみて、その社会的影響を検証する事になる。
ラジオ放送は、リスナーの減少による経営難が指摘されて長いわけだが、特にAM放送はFM放送に比べると、放送インフラのコストが高いことが問題となっていた。2019年3月には、民放連がAM放送をFM放送へ転換したいという要望書を総務省に提出、有識者会議にて検討、容認の運びとなった。
つまり多くのAM放送は、そのまま廃業するわけではなく、今後はFMに電波を移して継続するということであり、2028年までには全国44の民放AMラジオ局がFMへの転換を目指している。2019年の議論段階ではまだ10年あるネという話だったが、もうあと4年である。1年がかりの本格的検証に入って当然のタイミングではある。
FM放送に転換すると言っても、今のFM放送にそんな空きがあるのか、という話になる。東京千葉埼玉圏で受信できるFM局をざっと列挙すると、InterFM897、TOKYO FM、J-Wave、BayFM78（千葉）、NACK5（埼玉）、ヨコハマFM（神奈川）、放送大学と、7局もある。
しかしそこは良くしたもので、実は総務省では2014年からAM放送の難受信対策として、FMラジオ周波数を拡張し、そこでAMのサイマル放送を認めた。従来のFM放送の周波数は76.1～90.0MHzだったが、これの上の方を拡張して、76.1～94.9MHzとした。これを「ワイドFM」と呼ぶ。
AM局のFM移行は、この周波数帯域の拡がったワイドFMを活用すれば可能、というわけである。
厳密には東京千葉埼玉圏で受信できるFM局としては、山梨県に本社を置くFM富士、更に忘れちゃいけないNHK-FM(東京だと82.5MHz)が更にありますね。FM富士に至っては笹子峠(大月市と甲州市の境にあって、JR中央本線や中央自動車道も長いトンネルがあるとこです)を境に周波数が替わるそうで、結果、FM富士は都内界隈では78.6MHzで聞けるので、西東京の方だと千葉のBay-FMの78.0MHzがちょっと聞きづらくなるのがやや玉に瑕、という説も。ま、どうでもいい話なんすけども(^_^;)。
なお私自身、テレビをほとんど見なくなったのは「自分にとって見たい番組があまりない」のと「作業してる時にテレビつけっぱなしだと全く作業にならないので、となればラジオの方がいい」ってことなんですね。学生時代はラジオも聴いてたしテレビもよく見てたのですが、社会人になってからはますます見なくなりまして、せいぜい最近は家で朝夕に食事する時に妻となんとなくつけてるテレビを見ながら食べてるぐらいでしょうか。あ、息子の登校時間の兼ね合いで平日はNHK教育テレビの「はなかっぱ」というアニメだけは見るようになりましたが(をい)。
スポンサーリンク
ワイドFMやradikoがありがたいのは「よそと混信しないこと」ですな(^_^;)
記事の続きに戻ります。
ワイドFMはなにで聴けるのか
この周波数が受信できるのはどういうラジオかというと、当然「ワイドFM対応」と書かれているラジオと言うことになる。特にワイドFM対応だからといって高額になるわけでもなく、最近のラジオなら大抵対応しているようだ。だがもし買われるなら、一応ワイドFM対応の有無を確認してほしい。
お手持ちのラジオが対応しているのかわからない時は、ラジオのチューナーボタンを上の方に向かってダダダーッと連打していただいて、数字が「90.0」で止まったら残念ながら対応していない。カーナビと一緒になっている車載ラジオで、2014年以前のものは対応していない可能性が高い。
カーナビ一体型となると、ワイドFMのために新モデルに付け替えるというのはなかなか大変だ。そこでこうした車載ラジオ用に「ワイドFM用周波数コンバータ」というのがある。これはアンテナ線の間に挟み込んで、周波数を一定量シフトさせるという働きをするもののようだ。つまり90MHz以上の帯域も一定量下にずらしてしまえば、従来チューナーの受信範囲に収まるという事のようである。
実際筆者は使っておらずネットで調べた限りの話で恐縮だが、全体を下げてしまえば通常受信できていた放送局が下の方へ押し出されてしまう可能性もあるわけで、地域によってはなかなか上手い具合にいかないところも出るだろう。
一方ワールドワイド対応のラジオであれば、古いものでも受信できる可能性が高い。日本のFM放送周波数は上記のように76.1～90.0MHzだが、海外のFMはだいたい87.5～108MHzの範囲だからである。従って地域設定を日本以外、アメリカやヨーロッパに設定できれば、90MHz以上の拡張された範囲は聴く事ができるはずだ。
筆者の手元には、「Gemini PDA」というキーボード付きAndroid端末がある。これがFMチューナーを内蔵しているものの、日本仕様ではないのでこれまでFMが聴けなかった。だがワイドFMがスタートしたことで、AMのサイマル放送している90.4MHzのMRT宮崎放送を聴く事ができた。
また2009年に発売された第5世代以降のiPod nanoにも、FMチューナーが内蔵されている。これも国の設定を変更することで、ワイドFM拡張領域の放送が聴けるはずだ。
BluetoothスピーカーにもFMチューナーが搭載されているものがそこそこある。意外にラジオに注力しているのは、JBLだ。現行モデルとしては、JBL Wind 3、JBL Tuner 2 FM、JBL Horizon 2 FMの3モデルでワイドFM対応チューナーを搭載している。
ちょっと変わったところでは、小中学生の電気工作教材として販売されている組み立て式ラジオも、ワイドFM対応になっている。災害対応として手回しハンドルによるダイナモ発電などが可能な教材を作ったことがあるという人もあるかと思うが、昨今の教材はかなり様変わりしている。
ワイドFMは、知らないところで意外に拡がっている。
基本的には私自身は中学生ぐらいの頃からラジオを聴くようになりまして、文化放送を最初はよく聴いてたんですが、その後にニッポン放送を聴いたりTBSラジオを聴いたり、更に千葉に住んでた時はBay-FMを、大学進学で神奈川県内に下宿しはじめた時はFM横浜を…と、結構あっちゃこっちゃ聴いてましたね。ただ、高校・浪人時代まで住んでた実家があった成田ニュータウンの公務員団地が、鉄筋コンクリート造りだったことと地元の成田空港の電波障害の兼ね合いでめちゃくちゃAMラジオの入りがよくなかったんですね。この頃は文化放送をよく聴いてたんですが夜になると韓国のラジオ局の電波が混信するわ、たまにニッポン放送を聞こうとすると家の中では電波が入らねえわ…で、まあ大変でした。それでも聴いてたのはもう「なんかおもしろそうな事をやってるから聴いてみよう」という好奇心とその情熱以外の何者でもないですね、たぶん(^_^;)
なので成田に住んでた時は「ラジオパラダイス」という月刊誌を購入して、どーにか電波感度をあげられねえかなーなんていろいろと模索してたんですがその雑誌も購入しはじめて4号目で休刊になっちゃって「うわー」となった思い出も。その後、大学進学で神奈川県内のアパートに下宿するようになってからはさすがに成田の時よりかは電波感度が高かったのでAMラジオもスムーズに聴くことができたのは何よりでした、はい。
※ちなみに「ラジオパラダイス」の存在はその後17-18年ぐらい忘れてたんですが、結婚して今の現住所、妻の実家に住み始めた際に私以上にラジオ大好きだった義兄(妻の兄)がこの「ラジパラ」を創刊号から最終号まで全巻買い揃えてしかも実家にそのまま残してまして、それが入ったダンボールを見つけた時には嬉しさとか懐かしさを飛び越えて「絶句」したのがなんか懐かしいです。一部のマニアの間では「伝説」になっているらしい、その号だけは速攻で売り切れになったコサキン特集号まで残ってました(苦笑)
で、ワイドFMの恩恵を受けるようになったのはここ数年ですかね。2000年春に車椅子を使ううちの息子が小学校に入るタイミングで今まで7年間使っていた日産のキューブという小型車から、同じ日産のセレナというワンボックスカーに買い替えた際に、
↑新しく付けてもらったカーナビ(購入前に見せてもらった時にはまだカーナビはついてなかったのでカロッツェリアの当時の新しいカーナビをつけてもらったのでした)のラジオが、「あ、ワイドFMが聞けるやつだ」と気づいた時にはびっくりでしたねえ。むしろ「こういうワイドFMやradikoが俺が中学生・高校生ぐらいの頃からあったら良かったのにー」とひとりごちしてはぼやくこともしきり、でした(苦笑)。
その前のキューブに乗ってた時はその車を(中古車で)購入したのが2013年、この時はまだワイドFMの本放送が始まっておらず(一応調べたら、TBS・文化放送・ニッポン放送3局のワイドFMの本放送が2015年12月からだったそうです)、前の車の時はAMはTBSラジオとNHKラジオ第一、FMはFM横浜をよく聴いてたので、このAMとFMの切り替えがめんどくさかったのをよく覚えてます。と同時に「この切り替えがやらなくなるのはラッキー」と思ったのと「ついでにNHKラジオ第一も、ワイドFMでFM同時放送してくれればいいのに」とものぐさな事をひとりごちしてたのが懐かしいです(をい)
↑TBSラジオは954kHz、文化放送は1134khz、ニッポン放送は1242kHz…の方がおなじみだったんですが、まあ最近やっと「TBSは90.5、文化放送は91.6」ってその数字に慣れ始めましたね。相変わらずニッポン放送(93.0)は覚えてません。えーと、RFラジオ日本は…(以下略)。
ただAM局が「FM風の番組」をやるのだけはやめた方がいいかなと。
で、本文に戻りますと、
「ラジオ」としてあるべき「ラジオ」
2019年頃にAMラジオがなくなるかも、という話を聴いて、当時はradikoもあるし別に構わないのではないかと思った。だがその後、地方に転居してみると、急激にラジオへの接触率が上がった。車に乗ってエンジンをかけると、自動的にラジオの音が流れ出す。自宅で仕事しているので通勤はないのだが、誰かを送っていったりすれば、少なくても30分、長ければ2時間もラジオを聴いている事になる。
昔はパーソナリティのトークはAM、音楽などはFMと決まっていたものだが、昨今のローカルFMはほぼ昔のAMラジオのように、パーソナリティが延々としゃべり続けたり、Xやメールからのおたよりを読み上げたりと、コミュニティ放送に様変わりしている。
ラジオCMもさかんだ。運転中なのでCMを聴いてすぐ何らかのアクションが起こせるわけではないが、ラジオショッピング番組は非常に盛況である。車からの流れで、手仕事中に聴いている人も多いのだろう。
ラジオの良さは、受信器としてのラジオだけで聴けるところである。radikoだとスマートフォンが占有されてしまうし、結局はネット回線からのライブストリームなので、データ通信容量を消費する。屋外で聴くなら、乾電池や内蔵バッテリーだけで長時間再生できるラジオ受信器のほうがいい。
さらに今年に入って大きな地震もあり、避難について考えるようになると、情報源としてのネット1本頼りに危うさを感じるようになった。4G／5G網が大丈夫かという問題と、情報の真偽判断にはある程度のリテラシーが必要になる。ネットとは別に、免許制度である放送事業者からの精査された情報も、放送波直接受信という形で持っておいた方がいい。
そういう意味では、スマホにラジオチューナーを内蔵した「ラジスマ」は、あんまりいいソリューションとは思えなくなってきた。1つのデバイスに情報源が集中するより、分散させた方がいい。
またラジオは目が占有されないので、手作業していても情報が取得できるというメリットがある。避難生活でやらなければならないこと、例えばひたすら穴を掘るとかゴミを集めるといった作業中でも、情報から断絶されない、孤独に苛まれないという良さがある。いちいち操作が必要なら、作業は進められないだろう。
もう1つ直接受信のいいところは、複数箇所でラジオを受信して音を出していても、ズレがないところである。なぜならば、ラジオは未だアナログ放送だからだ。テレビ放送はデジタル化して20年が経過したが、ラジオはそのままである。デジタルラジオ放送は、衛星放送として行なわれている。
災害持ち出しリュックに古いラジオが入りっぱなしという家庭も結構あるはずだ。2028年までには、日本全国でAM放送を停波してFMへ移る局も結構出てくるだろう。お住まいの地域の移行タイミングで、ワイドFM対応のポータブルラジオや、ラジオ内蔵Bluetoothスピーカーなどに買い換えるのはいいかもしれない。乾電池駆動だったり、防水仕様だったり、ワンセグが付いていたりと、様々なタイプがあるはずだ。そのタイミングで新モデルが登場するかもしれない。
AMラジオの深夜放送を聴きながら受験勉強したという人は、いくつぐらいまでが下限だろうか。まあラジオを聴いている間は勉強してないというのがお約束なわけだが、深夜0時過ぎの記憶として、思い出す人も多いだろう。ああした習慣は今の子ども達にはなく、世代を超えてパーソナリティの思い出を共有できるという世界にはもう戻れない。
だが、トークを聴くというAMラジオの文化は、FMに持ち越される。今はAMとサイマル放送だが、放送システムが変わることで、内容や立ち位置も変わるだろうか。AM停波後のラジオの世界もまた、ちょっと楽しみになってきた。
今から27-8年前ぐらいに、FM横浜が「ハマラジ」と称してた頃にいったん局全体の番組の質でしくじったらしく再び「FM横浜、Fヨコ」と自称するようになった一件があったんですが、あの頃、確かよく言われてたのが「FMラジオ番組のAM化」ということでしたね。
つまりはFMラジオの番組ってそれまでは昭和末期から平成初期のFMラジオ局開設ラッシュの頃にはよくありがちだった(?)「スカしたバイリンギャルみたいなのが本場の洋楽をガンガンかけて音楽を垂れ流しにしてれば高音質のFMラジオ番組っぽくていいよねー(現在も放送されているBay-FMの「INTER X-PRESS」という門脇知子女史がDJをやってる長寿番組があるんですが、昭和末期から平成初期の頃はこれの亜流のような「とりあえずそういう番組でも流しとけ」的なラジオ番組が多かったです(笑))」みたいな流れだったのが、AMラジオ番組のような生放送中心の情報番組化して「とっつきやすく」なりまして、FAXやこの頃からインターネットの普及率が爆発的に上がってきてた頃でメールや、放送局や番組のホームページの投稿フォームが作られてそこに「リスナーからのお便りやネタ投稿」ができるようになったんですね。
ま、逆に「AMラジオのFM化」というのは個人的にはほとんど聴いたことはないのですが、
このTBSラジオが「しくじった」最大の要因となった敏腕社長こと三村前社長→会長がTBSの前はJ-Waveにいまして、どうもこの社長、就任当時は長寿番組ばかりのTBSラジオに危機感を覚えたようで、聴取率調査では首都圏1位をずーっとキープしているのに営業利益が上がらないのはそれはおかしいし困る…ということで、「TBSを古巣のJ-Waveのような営業成績も良いラジオ局にしたい」と目論んで、聴取率調査週間(スペシャルウィーク)を廃止したり、プロ野球のナイター中継をやめてしまったり、更に長寿番組をバッサバッサと切ってしまったり、長年TBSラジオを支えてきたパーソナリティを冷遇してきたんですね。
で今やAMのライバルであるニッポン放送どころか、敏腕社長の古巣のJ-Waveにも視聴率を追い抜かれるという始末で(大汗)。
ちなみに私自身は以前、「伊集院光とらじおと」を聞いてた時間帯は朝から夕方まで(生島ヒロシ氏の早朝の番組から、荒川強啓氏の夕方のニュース番組まで)家でも車でも出先でもほとんどがTBSラジオだったんですが、「らじおと」が終わった直後からTBSを殆聞かなくなり、その代わりに聴き始めたのがこれが(敏腕社長にとっては実に)皮肉なことにJ-Waveの月-木の朝から夕方までの帯番組でした。
で、金-日はFヨコとかFM富士とかNHK-R1とかつまみ食いで聴いてるんですが、確かに時計代わりでTBSを聴いてた身としてはJ-Waveの朝から夕方までの「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」「STEP ONE」「GOOD NEIGHBORS」「GRAND MARQUEE」の4番組が本当に時計代わりになるし、DJの人たちの喋りや選曲、そして各コーナーとかもほとんどが安定してて聴いてて気持ちが良いんですね。と同時に「もしあのTBSの敏腕社長がこういうJ-Waveの番組を理想形にして番組改革をしたかったのかな?」とも思うことは多いのですが、それにしては明らかにTBSラジオとリスナーの層もスポンサーの層も違いすぎてそれは無理筋も甚だしいだろーとツッコミを禁じえない始末でもあったりしますです、はい。
なのでもしAMラジオがほぼ全廃され(しかしそうなったらNHK-R1とR2はどうするんだろう…ワイドFMのどこかに組み込まれるんだろうか)、FM局とのサシでのガチンコの戦いになったとしたら、これまで時計代わりにAM局を聴いてたちょっとお年を召したリスナーさんはそれを機に離れるかもしれないですし、またAMラジオの経営者がそれこそ「FM局みたいな”意識高い系”の番組に切り替えよう」とかアホな判断をしたら、その時はたぶんFM局に蹂躙されてオシマイのような気もしますね。
なので大迷走しまくってるTBSラジオはわかんないですが、せめて文化放送とニッポン放送、そしてRFラジオ日本とNHKラジオには「もしワイドFMだけになっても、せめてAM時代の立ち位置を見失わないようにそこだけは気をつけてね」と申したいなとしみじみと感じる次第です。まあその前にTBSの敏腕社長→会長やその一派がいつまでTBSにいるかどーかもわかりませんけどね。何しろ利益約9割減はそりゃ経営者としては進退伺ものだろうと(失笑)。
ZHIWHIS ラジオ 小型ポータブル FM/AM/SW ワイドfm対応 グレー
▼ランキングに参加してます。クリックよろしくおねがいします。
