Jリーグ「秋春制」に関して、スポニチと日刊スポーツで「ほぼ真逆な」記事が出てました(苦笑)

Jリーグ26年までに秋春制移行へ ほぼ全てのクラブが同意、容認の姿勢 条件、環境まとまれば前倒しも(スポニチ/4月13日付)

Jリーグ「秋春制」移行協議スタートも難航「7割以上の社長が消極的発言」Jクラブの反対多く(日刊スポーツ/4月18日付)

いやー両記事には「5日間の時差」はありますが、真偽は果たしてどっちなんだろうね?(苦笑)

現行の春秋制からのシーズン移行が再議論されているJリーグが、遅くとも2026年秋には秋春制をスタートさせる可能性が高くなった。12日までに複数のJリーグ関係者が明かした。

 これまでJクラブ側は降雪地での冬季の試合開催が困難であることなどを理由に消極的な姿勢を打ち出してきた。だが日本サッカー協会の田嶋幸三会長が2月17日に「いろいろな障害があるのは事実だが、しっかりと話をしていかなくては。シーズン制を変えたい」と検討していることを明かしていたように、建設的な議論に発展しなかった過去とは違い、今回はほぼ全てのクラブが秋春制移行に同意、または容認する姿勢を見せているという。

 背景には世界的なサッカーカレンダーの変更がある。今年からアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)が秋春制に移行。25年から32チームに拡大されるクラブW杯は6月から7月にかけて開催される。現行の春秋制では編成面でのゆがみを生む可能性があり、より世界のスタンダードに合わせる必要性に迫られていた。また、猛暑の時期を避けることで競技レベルの向上につながり、国内レベルが引き上げられれば代表強化にもつながるだろう。加えて、選手の欧州移籍もしやすくなる。

 現在は降雪地クラブのハンデを最小限にとどめる冬季中断期間の長さやシーズン移行する前年度のリーグ形式、選手やスポンサーの契約形態などに関する詳細を詰めるため、各クラブにヒアリング中。W杯北中米大会後をメドに調整を進めているが、条件や環境がまとまれば26年秋よりも早い段階で施行される可能性がある。

 ≪欧州リーグ8、9月開幕、5月中に閉幕≫▽シーズン秋春制 欧州のほとんどのリーグが採用している区切り方で、多くが8、9月に開幕し、5月中旬に閉幕する。冬季の中断期間はリーグにより異なる。欧州CLなどのカップ戦も同じサイクルで開催され、4年に1度のW杯はこれらが終了した6月上旬ごろに開幕する。日本では21年9月に開幕した女子の「WEリーグ」が採用している。

というのが4月13日のスポニチの記事でした。

一方で今日の日刊スポーツではほぼ「真逆」な記事が。

Jリーグは18日、実行委員会を開き、シーズン制移行の協議を行った。J1、J2、J3のクラブ代表者を相手に、26年ワールドカップ(W杯)北中米大会終了のタイミングで、8月初旬にリーグ戦を開幕し、翌年5月下旬にシーズンを終える「秋春制」への移行を話し合った。

 日本サッカー協会がJリーグに提案したものだが、Jクラブ代表者からは反対の意見が多かったようだ。

 26年はW杯があり、6月初旬から約7週間、リーグ戦が中断される。日本協会は、そのタイミングがシーズン制移行の適期と判断し、提案した。雪の多い地域を配慮して1月から5週間以上、ウインターブレークの期間を設けるなどの提案をしたが、実行委員の多くは現行維持を指示したようだ。

 日本協会の主張は、主に4つ。(1)猛暑の試合開催減少による選手のパフォーマンスアップ(2)シーズン中の海外移籍により発生するチーム再編成の回避(3)世界基準となっている欧州とシーズンを合わせられる(4)ACL日程に合わせやすい

 しかし、シーズン制移行に反対するクラブの主な意見は(1)雪国地域クラブの不利益(2)移行する年に、スポンサー契約を1年から1年半などに要求しづらい(3)自治体が保有するスタジアムを抑える時期がずれるため、確保が難しい(4)現行の4月~3月の教育制度との不一致(5)引退や解雇された選手のセカンドキャリアのタイミングが、一般社会のタイミングとずれる、などがある。

 ある実行委員は「今日は7割以上の社長がシーズン移行に消極的な発言をしていたので、現実的には難しいと思う」と話した。秋春制への移行は、13年と17年にも行われ、いずれも反対意見が多く断念した。Jリーグ今後も協議を続け、今年中には結論を出す予定だ。

という感じに。

スポンサーリンク

たぶんスポニチの方が「観測気球」だと思うんすけどね。

で、個人的には4月13日のスポニチの記事を見た時に、「これはたぶん賛成派ないしサッカー協会上層部からの“観測気球”なんだろうな」と思ったんですね。

考えてみれば、過去にプロ野球再編(この場合は楽天が新球団で加入する前の、オリックスと近鉄が合併して球団が1つ減る、という段階の時でした)も、散々、「巨人様と同じリーグに入って利益を享受したい、1リーグにしたい!!」って人たちがこの手の話をあたかも「決定事項」として新聞記事に書かせてたじゃないですか。ちなみに大昔、プロ野球が占領軍がいた頃、つまりは1リーグから今の2リーグになる時も時のプロ野球界の大物の正力松太郎翁がまだ何も決まってないのに「ゆくゆくは1リーグから2リーグにする」という声明を今の日本プロ野球機構の前身組織の「日本野球連盟」が直々に発表してしまってちょいとした大混乱を招いたことがあったようですしね。

勿論そこには根回しも何もなく、いうなれば「大風呂敷」なんでそれを発言した・メリットのある「賛成派」の人たちは主語が大きくなるだろうし、根回しもなにもない人たちからは「そんな事聞いてねえよ」って反応があるのは当然で、この記事に関しては確か鹿島アントラーズの社長さんあたりが「まだ何も決まってないっす」的なことをおっしゃってましたし、湘南ベルマーレのGMさんは「雪国のクラブへの配慮は必要という条件で言えば賛成」という言い方をされてた次第でしたが、まあほとんどのチームは「そんな事、いきなり言われても…」って感じなのは当然でしょうね。

私自身は、年度をまたく諸問題(特に卒業・新卒が絡む我が国の年度事情)が無事にクリアできて、仮にJリーグが何も雪国対策等を手を打てなかったと仮定して考えた場合は、

「うーん、酷暑の夏もきついけど、(特に雪が降る可能性が高い地方での)酷寒の冬ももっときつい」

って感じで、百歩譲って酷暑のナイターの方が酷寒のデイゲームよりはまだましだって感じですかねえ。

というかここまで来ると、1993-5年あたりのJリーグ黎明期のように、週末の土曜日or日曜日に加えて、更に水曜日にナイターでも組んで「秋と春の時期に週2回、無理やり試合をこなして、12月末から2月末まで冬季休業」ぐらいにしないとJ1からJ3までの60チームが地理的・気候的な有利不利がなくならないんじゃないのかな?と思うと、ここらへんが野球・バスケ・大相撲とかと違い、「連日で連戦ができない」サッカーの難しさだなあとしみじみと感じる次第ですね、はい。

でもなんか暗々裏に「新リーグ(仮)」計画も企ててそう<上層部

…ただ、なんとなくこれは勘ぐりである事を祈るしかないんですが、今のサッカー協会の会長さんとかJリーグのチェアマンさんあたりが「やりそうだなあ」と思うのは、

「じゃ賛同したチームだけで新リーグ作るからいいよ。秋春制の」

って言うんじゃねえかなあ、と。

例えば太平洋側の、冬もさして雪が降らない地域のチーム、更にスポンサーさんが「太くて」予算も潤沢なビッグクラブのチームが「うちは多数の選手を代表にも出してますし、海外移籍もしてますよ。だから秋春制もOKっすよ」ぐらいの感じで話に乗っちゃって、んで、サッカー協会も新リーグ(仮)の組織委員会みたいなのを暗々裡に(?)立ち上げてメディア対策もばっちりで、更に大口のスポンサーさんからも承諾を得て…で、「どうします?新リーグに参加しますか?それとも従来のリーグに残りますか?」みたいな話になるのを目論んでるんじゃないのかなあ、とも(苦笑)

どうもイングランドの今の「プレミアリーグ」も、当時の国内のリーグの1部の強豪チームが(当時は全チーム平等に分配していた)放映権で揉めて組織改編して、各チームごとに放映権を設定・契約できるようになったのが新リーグ設立のきっかけのひとつだったようですし、なんかサッカー協会の会長さん、なにかと「豪腕」らしいからこういうのを企ててそう。

ぶっちゃけ仮にこれを「新リーグ(仮)」という書き方をしますが「新リーグ(仮)にゃ、60クラブも要らない。ん、Jリーグ100年計画?新リーグはJリーグとは別だから関係ねえ」「俺らの言うこと聞けねえんだったら旧リーグで勝手にやってくれ」ぐらいの事は平気で言いそうでね(^_^;)。

ちなみにこれは余談なんですが、先程名前が出た正力松太郎翁。今の東京ヴェルディの前身にあたる「読売クラブ」の設立にも絡んでまして、元々ここは日本テレビのサッカー同好会が最初で、当時の日本テレビとしては春夏に巨人のプロ野球中継、秋冬にプロサッカー中継で一年間のスポーツ中継番組を回す…というのを目論んでたらしいんですね(そこでクラブチームを作って「よみうりランド」の中にサッカー場や練習場を作らせたんだそうです、正力翁の命令で)。となると、もしJリーグではなく「新リーグ(仮)」に移行した場合、意外にヴェルディもそうですが、都内のどこかのチームに読売新聞や日本テレビが大きく資本協力とかで絡んでくるかもしれないっすね。さすがに今は視聴率や契約の関係で肝心の地上波の放送は難しいんでしょうけど。

と同時にJリーグ黎明期の頃、かつての川淵三郎チェアマンが「チーム名に企業名は使わせない」と言い始めて、読売のナベツネ社長が「それは憲法違反だ」とか新聞上に書いて論戦になったのを思い出しますが、もし「新リーグ(仮)」がそこらへんを大妥協して一部企業名もOKとかになったら、もし今年97歳のナベツネさんが「存命時に」そうなったとしたら、読売新聞、えらく狂喜してまたJリーグ運営に戻ってきそうな気が(苦笑)。

さてどうなるんかねえ。正直、私自身は賛成・反対はともかく、実際に「実現するには」ハードルがあまりにも高く、そして多すぎるんで「やれるもんならやってみろ」的な感じになってるのも困ったもんだなあと思ってる今日この頃です。あ、意見には個人差がありますです(さだまさし風に←をい)

▼ランキングに参加してます。クリックよろしくおねがいします。

にほんブログ村 野球ブログ 千葉ロッテマリーンズへにほんブログ村 野球ブログ プロ野球へにほんブログ村 ニュースブログへ