・【ロッテ】田村龍弘が9回表のスクイズ外し2度成功の真相を解説「予想外のことではない」(日刊スポーツ)
今日のロッテ対日ハム戦の話の続きになりますが…。
ロッテから見て「絶体絶命の大ピンチ」だった9回表無死2-3塁からのスクイズ2連発阻止及びスリーバント失敗に追い込んだ、事実上の「トリプルプレー」に関して、捕手の田村龍弘が興味深いコメントをしておりまして…。
<ロッテ5-4日本ハム>◇24日◇ZOZOマリン
9回表のロッテの守備。研ぎ澄まされた洞察力と思いきりの良い判断力が、勝利に結び付けた。
益田直也投手(33)が先頭の日本ハム上川畑に左中間を破る二塁打を浴び、田村龍弘捕手(29)が江越のバントを捕球後に三塁へ送球し野選。無死一、三塁のピンチ。二塁盗塁で二、三塁となって迎えた2-1からの4球目だった。
ベンチに視線を送る田村。ベンチからの指示。思いは合致した。打者の石井がスクイズバントを試みたが、外角に大きく外して空振りを奪った。
田村は「あの場面、投手が益田さんでなかなか打つのが難しいところで、石井みたいな小技とかするタイプの打者。あるかなという勘ですね」。三塁走者を三本間で挟み、タッチアウト。1死三塁に状況は変わったが、ピンチに変わりはない。
さらに3-2となった6球目だった。四球覚悟で再び外角に大きく外した。三塁走者もアウトにし、三振ゲッツーで無得点に封じた。
フルカウントからの明らかなボール球要求に関して問われた田村は「だからこそ、割り切って外せるところ」と言い切った。「どうせ四球になって一、三塁になっても、また走られる。(1死二、三塁になっても)9回で1点も取られたらダメなところなので、走者満塁にしても良いところ。3-2だから外しにくいということはないかなと思います」。
今季、新庄監督が実行してきた野球を徹底研究した結果でもある。「あれが松本(剛)さんや清宮だったら、ほぼほぼゼロに近いところだと思うので、打者の巡り合わせや投手の力の兼ね合いも含めて予想外のことではない」。被安打と野選で招いた危機的状況下でも、動揺することはなかった。経験豊かなバッテリーとベンチワークの信頼関係も含めた戦略に裏付けられたうえでの「勘かな」だった。
吉井理人監督(58)も「なかなかあり得ない作戦だと思うんですけれど、勝負をかけました。(フルカウントから外した投球も)あそこは1点もやりたくなかったので、ギャンブルですね。もちろん、みんなで(相手を)探りながらやっているので、その中で『やろうか』という感じです」と明かした。
プロの理論と野球勘が詰まったスクイズ阻止が、9回裏のロッテのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
いやー、田村龍弘、(不遜な言い方で本人はものすごく申し訳ない書き方をしますが)そこまでしっかり者のキャッチャーになったんだなあ(感涙)。少し前までは正捕手争いのトップの方にいることはいたんですが、なんかライバルの吉田裕太とか江村直也とかが打撃が弱い分、「なんかライバル不在な結果、とりあえず正捕手の座に座ってる」ような選手だったんで(バントもしょっちゅう失敗してたし←いや、それは今もなんですが(号泣))、そこに更に若くて将来性のありそうな佐藤都志也や松川虎生が入ってきてそこが脅かされるようになったりして今後どーなるんだろう…と思ってたら、ねえ。
ただ、少し前のどこかの記事で、捕手は捕手同士で「お互い、相手チームの共同研究のようなこともしている」という事を田村捕手が言ってたんですね。つまりは江村直也、佐藤都志也、松川虎生もそうですが、更に柿沼友哉とか植田将太とかも含めて、1軍で登録されている面々でしっかりと研究してそれを情報共有もしている、という話も。その一環でロッテ球団に2億円かけて作られたチーム戦略部からも勿論データの提供も受けているんでしょうし、その中でこういう大ピンチの時に相手がどういう事をしてくるのか?というのも複数のシチュエーションとかも考えながらプレーしてるんだろうな、と。
それと最近はアマチュアの、例えば大学野球や高校野球なんかでもコーチやデータアナリストみたいな人を雇ったり外部委託したりしてプロなみのチーム戦略を練っているチームも増えて来たそうで、勿論それが100%、データどおりに行くとは限らないまでも、こうして「相手の作戦・戦略をピタリと的中させて、しかもチームが逆転勝ちを掴むことが出来た」というのは、きっと田村捕手だけではなく、今年のそして今後の千葉ロッテにとっても「大きな自信」になっていくんではないか…と思いますです。
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でも「敗軍の将の弁」も、実に前向きなコメントなのが良いね。
・【日本ハム】新庄監督「采配ミス。僕が悪い。でもまたどんどん挑戦」9回絶好機で“奇策”失敗―一問一答(スポーツ報知)
しかしビッグボス氏も潔いコメントなだけに「まだまた挑戦していくよー」という前向きな姿勢はなんかいいなーと(笑)
◆パ・リーグ ロッテ5×―4日本ハム(24日・ZOZOマリン)
5連勝中の日本ハムは3位・ロッテに9回サヨナラ負けを喫した。同点で迎えた9回の攻撃で新庄監督は1番・石井に2度スクイズを指示。しかし、立て続けに相手バッテリーに外されて空振りに倒れ、無死二、三塁の絶好機を逃した。直後に宮西がサヨナラ犠飛を浴び、今季初の6連勝とはならなかった。
試合後の主な一問一答は以下のとおり。
―(自ら話し始める)
「見破られたというか、逆を…その逆をいって。僕の采配ミス。今度はああいうミスがないように。難しいところなんですけど。1点入ったらもういけるというところで益田君もね、いいピッチャーなので。向こうが防げない作戦で1点を取って、(田中)正義君につなげようという思いがあった。一つずつ勉強していって。これで(作戦を)やめるとかじゃなくて、またどんどんどんどん挑戦はしていきたいです。最後のもね、あれは(走者が)和田君だったので(打球が)流れていったときにポンと捕らなくても良かったかなと…」
―松本剛にとって難しいプレー
「そうそう。ちょっと風で流れていった…。まあでも守っている人からしたら、走っているから。難しいですね
―3バントスクイズはこれまでも成功していた
「そうね。そんなに失敗していなかったから。選手にストライクゾーンにきたら頼みます。ボールになったら、外されたら僕のせい。外されたのでね、悪かったということは石井君にすぐジェスチャーで伝えた」
―カウントフルカウントで
「勝負してくると思った」
―1回目も外角に外された
「スクイズをさせたくないから、外に構えながら落としてくる。フォークという警戒で、それが浮いてくれたらいいかなと。逸らしたら1点というプレッシャーがあるから、浮いてきたところはしやすいので。いろいろ考えて。ピッチャーとしてはワンバンは投げたくないですからね。駆け引きで負けました。ベンチが悪い。僕が悪い。(選手には)割り切ってもらえているので」
でも、これを選手の責任だけに押し付けるようなことをしないのは大したもんだと思いますね。言っちゃなんだけど、去年のロッテの井口監督なんかだと「もっとしっかりしなきゃ」みたいな他人事なコメントに終始してる場面でしょうしね。いやいや、露骨に偏ったお気に入りメンバーだけを(体調や調子等をほとんど無視して)起用して、そういう指示をした「最高責任者」は誰やねん?みたいな(失笑)
ま、それはともかく、今後も日ハムとロッテ、そして他のパ・リーグ4球団も巻き込んでこういう良い意味での「駆け引きのやりあい」は続いていくんでしょうね。いやー今年のパ・リーグはやっぱりおもしろい(笑)。以上です。
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