・日本ハム、西川遥輝らFA取得3選手に来季契約提示せず 海外含め交渉可能(日刊スポーツ)
要は「FA権は君たちの権利なんだから古巣に気兼ねなく交渉してこい」でもあり、下手すりゃ出戻り(?)の際に足許見られかねないんですけどね。日ハム球団も実に思い切ったことをするもんだな、と。
日本ハムは16日、海外フリーエージェント(FA)権を取得している西川遥輝外野手(29)、国内FA権を取得している秋吉亮投手(32)、大田泰示外野手(31)とFA資格について協議し、来年の契約を提示せず、保留手続きを行わないことになったと発表した。
稲葉篤紀GM(49)は球団を通じ「3選手と来季以降のプレー環境について協議した結果、選手が取得した権利を尊重し、ノンテンダーとすることを選択しました。選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です。昨年も、ノンテンダーの村田透投手と再契約した例があるように、ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではありません」とコメント。3選手は契約保留選手名簿から外れ自由契約となり、海外を含めた他球団とも交渉が可能となる。
日ハム球団の場合、札幌ドームに支払っている年間使用料が実に半端なく、自分で保有する新球場ができればまた球団経営方針(FAしてきた選手にも手が出せる、等)は変わっていくんでしょうが。それにしてもこういう思い切ったことはなかなかできないだけに「すごい」の一言ですね。
これがJリーグのチーム、特にJ1の中堅クラスよりも下の順位(J2、J3も含む)だと、活躍するととっとと引き抜かれて「個人でJ1昇格」みたいな選手も少なくないんでそれがフツー(各チームが選手個々との契約の際に、代理人を入れたり、さらに「強豪チームなどから高年俸・好条件の契約オファーが来たらそっちを優先させる」みたいな一文を入れたりとか)ではあるんですが、NPB12球団に関してはどーしても野球界が狭いだけに海外移籍でもない限りこういうFA移籍とかはしづらく、何かと古巣のチームから(仮にいろいろな事情があったとしても)「裏切り者呼ばわり」されかねない空気になってしまうのはあれはどーにかした方がいいかもしれないですね。少なくても戦後まもなくの頃から1970年代中頃の頃までは「A級・B級10年選手制度」と言った移籍制度もあったり、同じく70-80年代の頃まではNPBも球団同士の判断で1対1どころか、2対2、3対3みたいなトレードも頻繁に行われていて「同じチーム一筋20年」みたいな選手の方がむしろ稀有だっただけに。と思うと特にFA移籍時の「人的補償」のあの制度がどうも足を引っ張ってるような気も。
ただ、過去のFA移籍では「実は戦力外・構想外になっていて(もしくは球団からそのような物言い、姿勢が見受けられた)、FA移籍さぜるを得なかった」という選手も何人かいたんですね。つまりは「球団から退団に追いやる」みたいなパターンも。近年だとロッテから楽天に移籍した今江選手とか。だから日ハム球団の方からも「新庄監督になったし、中田翔みたいにちょっと日ハムには今後の戦力的には…」とも思われてる可能性もまあなくはないわけで、そういうのを鑑みると
「うーん、日ハムさん、これは温情のようにも見えるけど、実際はえらくドライなのかもな」
とも。なんか一番「アレ」なパターンとして考えられるのは大田泰示とかが、巨人時代にプレッシャーに負けてなかなか芽が出ず、やっと日ハムで実力を開花したのに大先輩の原監督のラブコールで巨人に戻ってまたプレッシャーに負けてレギュラーで使われずに1-2軍を往復…みたいな事になることでしょうかね。そりゃ巨人OBの肩書の方(といっても今の時点でも「巨人OB」ではあるんですけどね(苦笑))が引退後のセカンドキャリアも多少はアドバンテージがあるのかもしれないけど、うーん、自分を客観的に見つめることも必要だろうな、ここらへんは。
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ただ、日ハムさんにはえらくドライな「思惑」も感じなくはない。
・日本ハム・西川、大田、秋吉のノンテンダーFAとは なぜFA補償を捨てたのか チーム事情も絡んだ判断 (スポニチ)
で、スポニチさんにはこんな記事が。なるほどねー。
日本ハムの「ビッグボス」こと新庄剛志新監督が指揮を執る来季に向けて、次々に改革が進められている。16日に海外FA権を持つ西川遥輝外野手、国内FA権を持つ秋吉亮投手、大田泰示外野手の3選手に対し、来季契約を提示せず、野球協約第66条の保留手続きを行わないことになったと発表した。
稲葉篤紀GMは「3選手と来季以降のプレー環境について協議した結果、選手が取得した権利を尊重し、ノンテンダーとすることを選択しました。選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果です。昨年も、ノンテンダーの村田透投手と再契約した例があるように、ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではありません」と球団を通じてコメントした。球団が来季の保有権を放棄するノンテンダーFAは、メジャーでは成績に比べて年俸が割高である選手に対して球団がノンテンダー(テンダーは提出、申請の意)とすることがある。村田は昨オフ、一度自由契約となりながら野球協約が定める減額制限(1億円以下は25%)を超えた2400万円減の1600万円プラス出来高払いで再契約した。
西川、大田、秋吉の3選手は実績十分で、西川は今季年俸2億4000万円、大田は年俸1億3000万円、秋吉は年俸5000万円だ。しかし、西川は今季130試合で盗塁王(24盗塁)こそ獲得したが、打率・233、3本塁打、35打点。大田は日本ハム移籍後初めて100試合出場に届かず、76試合で打率・204、3本塁打、20打点。秋吉もプロ入り後ワーストの10試合登板で0勝0敗0S、防御率2・70といずれも不本意なシーズンを過ごした。
日本ハムは3選手がFA移籍すれば人的補償や金銭補償を受け取ることができた。3選手を交換要員としてトレードに動くこともできたはずだ。しかし、今年の成績で仮にFA権を行使しても西川は年俸上位3位までのAランク、大田と秋吉は同4~10位までのBランクとみられ、人的補償と金銭補償が移籍交渉の足かせとなる可能性があった。そのため稲葉GMは「選手にとって制約のない状態で、海外を含めた移籍先を選択できることが重要と考えた結果」と実績がある功労者の3選手に配慮し、補償を必要としないノンテンダーFAを選択したとみられる。
外野手は浅間、五十幡、万波ら若手が台頭。名外野手だった新庄BB就任により、世代交代を進めていく狙いもありそうだ。
うん、やっぱりいろいろと考えて動いてるんスね。
…で、とりあえず出戻りで仮に「足元見られて」大減俸を喰らったり、レギュラー白紙になったとしても、そこから奪還していけば新庄監督もしっかり見てくれているだろうし、その次の年の年俸で「取り戻せ」るように頑張れ。で、我が家ではロッテファンと巨人ファンの夫婦ではありますが、今後もシャウエッセンを買って間接的に応援もしますんで←あれは本当にうまいんすわ(笑)
以上です。
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