楽天モバイルさん、「広島県」府中市の避難情報を「東京都」府中市にも送ってしまい(大汗)

広島「府中市」の避難情報 東京「府中市」にも誤って届く(TBSニュース)

いやー、東京の府中の人たち、さぞかしびっくりしたろうな。日本国内では現在東京・広島の「府中市」と北海道・福島の「伊達市」が同一市名でちょっと有名っちゃ有名なんですが…。

中国地方などの記録的な大雨を受けて、広島県府中市が発表した避難指示などの情報が、東京の府中市にいた人に届くトラブルがあったことが分かりました。

 きょう午前、広島県府中市では一時、避難指示が発表されました。この避難指示などの避難情報について、東京の府中市にいた人の携帯電話にも「緊急速報メール」として届くトラブルがあったことが、東京都府中市への取材で分かりました。

 こうした事態を受け、東京・府中市はホームページやSNSを通じて、「避難情報は発令されておりません」と注意喚起しました。市によりますと、誤ったメールが届いたのは楽天モバイルの利用者だということで、市は楽天モバイルに対し、トラブルの経緯などを問い合わせているということです。

楽天モバイル、これはやっちまったな。

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全国に「府中」と「伊達」の2つの同じ名前の市がありまして。

ま、通常だと、既に同じ名前の市があって、さらにもうひとつ同名の新しい市ができそうな場合には、国側が同じ名前だと実に紛らわしいんで重複を避けるんで、後からできるとこは似てるけど少しは違う名前にしてもらう…ような慣例があるらしいんですね。

たとえば都内だと、戦後、久留米町が市制施行する際に九州に既に(明治の頃に市になっていた大都市の)久留米市があったんで「久留米市」にしたりとか、平成に入ってからだとサッカーでおなじみの茨城県の鹿島町が市制施行する際に、佐賀県の鹿島市が既にあったんで「鹿市」にしたりとか。もちろん、「新しくできる場合」に限られたようで、それぞれが明治の頃からあるような古い市町村はその限りではなかったようですけど。

そんな中、もともと「府中」という地名は律令制の頃の国府があった場所でそれこそ旧国があった分、全国各地に存在していた地名だったんですが(例えば信濃府中→松本、駿河府中→静岡など)、そんな中、戦後まで「府中町」のままだった、もともとは武蔵国の国府があった東京都府中市と、備後国の国府が合った広島県府中市は戦後の昭和の大合併の際にわずか1日違いで市制施行したために、そのような調整が行われず(というか調整もできずに)そのままになったんだそうですね。しかも先に市制の申請をしたのは東京が、先に市になった日付が早いのが広島…と。なお、広島には府中市とは別に「府中町」があって、こちらは安芸国の国府があった街だそうで…(^_^;)

※ちなみに郵便局は、東京の府中の方は既に戦前の頃から「武蔵府中」郵便局と称して広島の府中局との混同を避けています。

一方で、北海道・福島県の両方の伊達市は、平成の大合併の折に福島県の伊達市が市制施行したんですが、こちらはルーツがもともと同じで北海道に入植した人たちが住み着いたのが北海道の伊達市だったということもあり、元の伊達市からもさしたるクレームもなく、平穏無事にふたつの伊達市が並立することになった…んだそうです。

※あと例外としては、ほんの一時期だけ、福岡県と福島県に「若松市」が並立していた時代があったそうで、前者は今の北九州市の若松区に、後者はのちに会津若松市になったので、現在はともに消滅しておりますです。

というわけなんで、同じ広島県にある府中市と府中町を間違えるんであればまだしも、どーやって楽天モバイルが「東京の」府中市と間違えたのかはちょっとそのプロセスは気になるかも、ですな。まさか市町村名管理を、市町村コードや電話番号とか郵便番号、エリア別番号とかで振り分けてなく、単純に「ひらがな順」でソートしてたんだろうかなまさか…(苦笑)。

以上です。

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