なんつーかイオンシネマもこれは実に気の毒だなあ…としか。

イオンシネマ、移動の手伝いで「従業員が不適切な発言」と謝罪。車椅子ユーザーの介助巡り議論に(ハフポスト日本版)

奇しくも私自身も看取った義理の両親の最晩年と、現在進行系で小4の息子が車椅子を使う介助が必要な人達で介護などをやってきてたんですが…しかしこの話はちょっとイオンシネマが気の毒だなあしか。

イオンシネマを運営するイオンエンターテイメントは3月16日、映画館を利用した来館客に対し、従業員が不適切な発言したとして謝罪文を発表した。

イオンシネマを利用した車椅子ユーザーが、映画の鑑賞後、スタッフから今後は別の劇場を利用するよう伝えられたという趣旨の投稿をSNS上で出したところ、イオンシネマ側の対応を巡り議論を呼んでいた。

同社は、【弊社従業員による不適切な対応に関するお詫び】と題する文書を発表した。

イオンシネマシアタス調布のグランシアターで、来館客の映画鑑賞後、従業員が移動の手伝いをする際に不適切な発言をしたことが判明したと報告。「楽しみに当劇場にお越しいただいたにも関わらず、不適切な対応により大変不快なお思いをさせてしまいました」と述べ、謝罪した。

同社は今回の件を重く受け止め、「従業員へのお客様対応の教育再徹底と再発防止策を講じると共に、設備の改善を進め、お客さまの信頼回復に努めて参ります」としている。

改正障害者差別解消法の施行により、4月1日から、障害のある人への合理的配慮の提供が企業や店舗などの事業者に義務づけられる。

というか「合理的配慮」。果たして障害がある人側が何を求めても良い、というわけでは決してないと思うだけにもやもやが残るんですね、これ。

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もうちょっと「やり方」があるだろうに。

これは叱られるかもしれませんが…誤解を恐れずに言わせてもらえば、どうもTwitter(X)を拝見した限りでは、この当該の方が「車椅子YouTuber」を自称してて、「いかにも活動家」的な感じ・物言いだったのが結構気になったんですね。以前、熱海の近くの駅でわざわざ車椅子で訪れて駅員さんとかの手を煩わせた人たちがいらっしゃいましたが、あれと同じニュアンスを感じたんですね。

個人的には…例えば通勤で使ってた最寄り駅が全面改築されて今はエレベーターやエスカレーターが付いてしっかりバリアフリー化もされたのですが10年ぐらい前まではエレベーターとかもない古い駅だったことがありまして、よく車椅子で通勤するお兄ちゃん(毎朝お会いするので挨拶こそはしませんが顔見知りになってました)に頼まれて、通りがかりの何人かで車椅子をよっこらしょと改札のある階段上まで持ってあげて…いや「持ってあげて」なんて書くとこれまたお叱りをうけそうなので「持たせていただいたりして」、お手伝いをよくさせていただいてましたね。

このお兄ちゃんは足がちょっと悪いんですが近距離程度、この場合だと階段をのぼって改札まで自力で歩ける程度まではできるんですが、車椅子を運ぶ手段がないという状況下で、それは同じ時間帯に通勤してる近隣の人達は毎日のように見てるので声をかけられてたら「ほう、なるほど。それではお手伝いしましょう」と断る人たちはいませんでしたね。なお改札から先は駅員さんがリフターを用意していてその人ごと運んでまして、列車無線で乗り場所をしっかり連絡を取り合って乗車もしてましたです。今は道路のとこから車椅子ごと乗れるエレベーターが改札外にも改札内にもあるのでたぶんそのお兄ちゃんも含めて、通勤の際にはずいぶんラクになったんじゃないかなーとは思います(とはいえたぶん駅員さんがホームまで付き添って列車無線で乗る場所の連絡等は今もやってるんでしょうね)。そしてこの方が実に嬉しそうに「ありがとうございます」と頭をさげてこられるので「いやいや、それほどでもないっす」といつも思いつつも、やはり大変なんだろうなーとよく思ってましたです。

つまり何を言いたいのかと言えば、「映画館側に”配慮”を求めるんであれば、客側も”多少の配慮”はあっても然るべきではないのだろうか」ということだったりします。ぶっちゃけて言えば現地に行って「嫌な思い」をする可能性があるんであれば、電話一本でも映画館にかけて「これこれこういう事情がありましてー」とアポイント、とまでは言いませんが、映画館側とトラブル前にできる事はいくらでもあるだろう、と。

もちろん車椅子のまま2時間ぐらい映画を見るのも辛いこともあるでしょうし(車椅子の椅子も結構硬かったりしますからね。ともすればクッションが硬いのをずっと使ってて床ずれみたいなことにもなりかねませんし)、そこで500円ぐらい払ってプレミアムシートを確保して座りたいのですが、こういう事情でして…みたいな下話ぐらいはしてもいいんじゃないのかなとも。そこで電話での問い合わせの段階で門前払いしてくるような映画館もあるかもしれませんし、それで腹を立てるんであればまあ気持ちはわかるなーとは思うんですが、でももしかしたらうまく心を込めて対応してくれる映画館かもしれないですし少なくてもこうして全国ニュースになるような「謝罪文」を出すような、ネット世論も含めて賛否両論の否の方が強くなる一件にはならなかったんではないか…と思うと「いやー、もうちょっとやり方はなかったのか」とそこは極めて残念だなあというのが、家族に車椅子を使う(または生前使っていた)がゆえに介護をしている私自身としてはしみじみと思う次第です、はい。

いずれにしても誰もが幸せにならない「最悪手」なんだよねえ、これ。まあ「活動家」としての活動の一環であれば「被害者ヅラしてても、してやったり」って思ってるかもしれませんが(シンパやお仲間の方も多いでしょうからね)、他の「活動家のようなアピールをいっさいせずに」それこそ日々苦労して車椅子を使わざるを得ない障害者の方々やその人達を介護してる家族や介護スタッフさんからすれば「なんて余計なことをおってくれたんだ」って感じでしょう。そこらへんの人の気持ちの機微がわかるか否か…もこういう話に関しては非常に大きいような気もします。

うちの息子も年2でイオンシネマで映画会に行ってます。

ちなみにうちの息子も、年に2回ほど通っている放課後等デイサービスさんのいざないでイオンシネマに招待されて映画を見ています。近隣のいろんな放課後等デイサービスさんを介してイオンシネマの大きな画面で「ドラえもん」とかを見させてもらってますです。

↑ちなみに去年の春はドラえもんの「のび太と空の理想郷」という作品でした。こういうガイド本とポップコーンがついてました(ま、摂食障害持ちなのでポップコーンは帰宅後、妻がおいしくいただくんですが(苦笑))。

で、息子が放課後等デイサービスさんの車で送迎されて連れてって貰えるこの「ドラえもん」の映画会、実は明日だったりします(^_^;)。どうも車椅子の子どもたちは車椅子のまま見ることになるそうなのでこの前述のようなトラブルはまずないとは思うんですが…それでもこういう機会を作ってくれた放課後等デイサービスさんと年に2回映画会を開催してくれてるイオンシネマさんには感謝してやまないですね。少なくても私がもし個人的に息子を連れて行くとしたらやはり事前にイオンシネマ(やシネコンのある映画館)に問い合わせるでしょうし、いろいろと起きうる想定される脳内シュミレーションは考えた上で、お店の方にはできるだけ迷惑をかけないように「気を遣う」のは間違いないですね。少なくてもアポなしで向こうで無理な要求はしないように心がけるのは間違いないと思います。

…でもたぶんこういう話は一切通用しないアレな人たちもいるんでしょうね。返す返すサービス業は大変だなあ、そして更に世の中がこうして萎縮していくんだろうなと思うと実に世知辛い。

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