・王者フランコ、体重超過でWBA王座はく奪 再計量も2・9キロオーバー… 井岡一翔とのタイトル戦は予定通り実施(ツッコミ)
前日軽量で3kgオーバーをわずか2時間で落とせるわきゃねえだろう?とは思ってたが…てか、下手すると以前のルイス・ネリと山中チャンピオンの試合の二の舞いになるぞ、これ。
◆プロボクシング ▽WBA世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者ジョシュア・フランコ―同 級6位・井岡一翔(24日、東京・大田区総合体育館)
プロボクシング元世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(志成)が23日、WBA世界同級王者ジョシュア・フランコ(米国)とともに都内のホテルで前日計量に臨み、リミットから100グラムアンダーの52・0キロで一発クリアした。フランコは規定体重より3・1キロオーバーの55・2キロ。2時間以内に再計量したが、55・0キロで再び2・9キロ超過した。フランコは所定の時間まであと12分を残し、減量を断念した。この時点で、フランコからWBA王座は剥奪された。王座は空位となる。24日の試合は当日計量(午前、超過した場合は2時間以内に再計量)で、フランコが130ポンド(約58・97キロ)以内ならWBA世界タイトルマッチとして行われる。井岡が勝てば新王者、フランコが勝てば王座は空位のままとなる。
両者は昨年12月31日、王座統一戦で激突。ドローとなった。その際のドーピング(禁止薬物使用)検査において、井岡の尿検体から禁止薬物の大麻成分が検出され、日本ボクシングコミッション(JBC)が急きょ、21日に公表。ただし、世界ドーピング防止機構(WADA)の決めた成分濃度の閾(いき)値を下回っていたため、今回の試合は予定通り行われるとした。
この発表を受け、井岡は計量後の会見で「自分に噓はついていない。この試合を実現させることがベスト。勝利して、必ず正義は勝つということを示したい」と話した。
これに対し、フランコを指導するロベルト・ガルシア・トレーナーは「色々な状況の中で、ジョシュアもチームも非常に厳しい状況におかれていた。タフな状況に。どこまで体重を減らせるか、頑張って減らしたい。色々とメディアで報道されてご存じのとおり、フォーカスするタイミングで、事を荒立てたりはしたくないし、細かくは語りたくない。2日前にこの試合が開催されるかとか、本人も開催されないのではないとか、精神的に厳しい状況に追い込まれていた。プロ人生でこういうことはなかった」と説明。井岡のドーピング検査において大麻成分検出の発表が影響したことをにおわせた。フランコは20日の公開練習の際に、「体重はあと0・4ポンド(約181グラム)」と順調な減量をアピールしていた。
これまで日本での世界戦で、最も体重を超過したのは、2018年3月に山中慎介とWBC世界バンタム級タイトルマッチで対戦したルイス・ネリ(メキシコ)の2・3キロ。バンタム級のリミット53・5キロのところ、55・8キロを記録した。ネリは2時間後の再計量でも1・3キロ超過までしか落とすことができなかった。
戦績は27歳のフランコが18勝(8KO)1敗3分け1無効試合、34歳の井岡が29勝(15KO)2敗1分け。
というか、王者はさしたる減量苦もなく、当然今日明日で体重をさらに増やして(更に体力を戻して)挑むわけですが、「勝っても王者剥奪」とはいえたぶん山中チャンピオンを引退に追い込んだルイス・ネリの時のWBCと同様に、たぶんWBAはさしたるペナルティも与えない可能性もあるし、王者陣営からすれば「とりあえず余裕の体力・体格で今後強敵になるだろう井岡をぶっ倒して、次の試合で王座を奪還すればいいや」ぐらいに考えてるんじゃないでしょうかね。
いずれにしても階級制度のあるボクシングじゃプロ失格としかいいようがない話なんだけども。
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「敵」は相手陣営だけではないらしい。な、JBC?(皮肉)
・井岡陣営が禁止薬物検出で潔白主張も…JBC説明「大麻成分吸引し、科学的に証明」(日刊スポーツ)
一方で、井岡選手にはこういう一騒動もありまして。
◇WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者 ジョシュア・フランコ《12回戦》同級6位 井岡一翔 (2023年6月24日 大田区総合体育館)
ボクシング元世界4階級制覇王者・井岡一翔(34=志成)が昨年12月31日のジョシュア・フランコ(27=米国)とのWBO&WBA世界スーパーフライ級王座統一戦時に行ったドーピング検査で、禁止薬物の大麻成分(THC)が検出された問題について、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長が22日、都内で取材に応じた。世界反ドーピング機関(WADA)による基準値を下回っていたため、JBCは違反に当たらないと判断。24日、フランコとの再戦となる世界戦は予定通り行われる。
日本人男子初の世界4階級制覇王者にとって2度目となる薬物騒動。激震が走る中、安河内本部事務局長は「(井岡選手は)大麻成分があるものを吸引し、代謝物が出たことが科学的に証明された」と重い口を開いた。
昨年末の試合前に行った検査で井岡の尿検体から禁止物質のTHCの代謝物、THC―COOHが検出された。WADAが定める基準値を超えるものではなくドーピング規定違反ではないと強調したが、A検体、B検体ともに大麻成分が検出されたことは事実。7月の倫理委員会で倫理規定に違反するかどうかを協議することを明らかにした。
同様の問題が起きた2年前の反省からJBCはより慎重な手続きを踏み、B検体の検査結果が出たのは今月17日。それを世界戦直前に発表したことについては「試合後に公表して隠蔽(いんぺい)を疑われたくなかったこと、フランコ陣営から試合後に“なぜ公表しなかった”と言われる可能性もあった」と説明した。
井岡陣営は検査に協力的で、前日に「大麻等の禁止物質を摂取も使用もしておりません」などとコメントを発表するなど一貫して潔白を主張。前回の疑惑時に影響した可能性も指摘された合法のCBDオイル(大麻草から抽出される成分を含む)は今回使用はなかったという。ドローに終わった前回から完全決着をつけるべく、WBO王座を返上してまでフランコとの即再戦を決断した井岡。23日には前日計量が行われる中、思わぬ形で大きな注目を集めることになった。
▽21年のドーピング騒動 20年大みそかの田中恒成(畑中)戦後、ドーピング検査で大麻成分に陽性反応を示したと、21年4月に週刊誌などで報じられた。井岡陣営は完全否定。JBCは第三者による倫理委員会を立ち上げて調査し、5月に「ドーピング違反はなかった」と結論付けた。検体管理に不備があり、手順にも重大な瑕疵(かし)があったとして、JBCは井岡側に謝罪した。
《JBCルール明確基準なし》JBCのドーピング対策の不完全さが改めて浮き彫りになった。JBCは日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に加盟しておらず、薬物問題には独自に対応する必要があるが、JBCのルール第97条には違反の明確な基準が記されていない。今回はWADAの基準値を参考に判断を示した。ジム会長らで組織する日本プロボクシング協会は「当該代謝物(大麻成分)の基準に関する事項さえ知らされていない」などとする声明を出し改善を求めた。安河内本部事務局長は「完璧なルール整備はできていない」とし、細分化された規定があるJADA加盟にも「簡単ではない」と話した。
2年前にも同様のドーピング騒動があって、今回もそれがあったと。まあどういう経緯で大麻成分が入ったのかは知りませんけども。
しかしJBCからすれば、そんな確執のある井岡選手ゆえに、「王座剥奪された対戦相手にボッコボコにやられちまえ」って思ってる…んだろうなあ。何せ階級が2つぐらい違うと、通常の階級(井岡選手の場合はスーパーフライ級)だと「効く」パンチなども、2階級上のスーパーバンタム級ぐらいまで行くとなかなか効かない、倒せない可能性も出てきますしね。
更にここから体重を戻してひとつ上のフェザー級、更に上のスーパーフェザー級ぐらいまでいっちゃうと、「ここまで減量苦でやってきた井岡選手の体力」と「さしたる減量苦もしてこなかった(と思われる)対戦相手の体力」との差がどこまでつくのか、と考えると、この興行は本来は「やっちゃいけない」もんだと思うんですが…まあWBAもJBCも止めないんだろうな。もっともJBCが国内開催試合とはいえ世界タイトルマッチを止める権限があるのかどうかは知りませんけど。
でもこれで井岡選手が数階級も上の体重の対戦相手をフツーにぶっ倒してしまうぐらいだったら、本当に今、スーパーバンタム級に階級をあげて今度世界タイトルを獲りに行くという井上尚弥チャンプとの直接対決も体重差はないわけだから「プロモーターがン10億円以上のファイトマネーを積んできて周辺環境も整ってしまったら、それは意外にやれなくはない」感じになるんでしょうね。まあ共にパウンド・フォー・パウンドのトップ10にランクインするぐらいの歴史に残るぐらいの凄い選手とはいえ、そん中でも井上チャンプがとびっきり強すぎるからたぶん井岡陣営としてはメリットがあまりないから乗ってこない…とは思うけどね(苦笑)。
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