文春さんの記事に出てた「合同引退試合」の記事で、なんかほっこりとした気持ちに。

「心の底から野球を楽しめました」上田、山中、中尾、大村…元ヤクルト4人が出場した「合同引退試合」の舞台裏(文春オンライン)

贔屓にしている千葉ロッテからは引退した内竜也投手が出てたそうですが…企画および後援してくれたスカパーさんとパーソルさんの「愛」と「リスペクト」を感じる企画だなあ、これは(感涙)

「笑顔」に溢れた一日だった。

 いつもの年なら、新人合同自主トレの始まる頃。野球ファンがひたすら球音を待ち続けている時期だ。年明け、2022年1月8日。真冬のメットライフドームに、17人の「元選手」たちが特別試合のために集まった。コロナ禍の中、限られた観客は家族など関係者、スカパー!プロ野球セットの契約者たち、このイベントに協力するプロ野球OB会のOBたち。そして、この日の試合前に野球教室に参加した子どもたちが、そのままスタンドに残って観戦していた。

 昨年12月に発表された「PERSOL THE LAST GAME」。「合同引退試合」という聞き慣れない試みだが、スカパー!が企画し、PERSOLが協賛となった。引退試合が行われることのなかった選手たちが、ファンや家族にプレイを見せられる舞台。当事者の選手たちだけでなく、家族やファンにとっても大事な一日となるだろう。

 この日集まった中には上田剛史(元ヤクルト)、内竜也(元ロッテ)、田原誠次(元巨人)といった一軍で活躍した選手たちがいる。そしてまた同じ場所に、大窪士夢(元西武)や加藤壮太(元巨人)のように、支配下登録が叶わなかった育成選手たちもいる。みなそれぞれに家族がいてファンがいる。試合を通して感じられたのは、主催者から選手に対してのリスペクトとセカンドキャリアへの後押し、そして家族やファンに対する温かい気遣いだった。

 試合当日、スタンドにはそれぞれの選手の名と「ありがとう」と書かれた横断幕が掲げられた。引退選手のユニフォームを着たりタオルを掲げたりするファンの姿もある。球場に行くことの出来なかったファンも、ライブ中継を見ることができる。スカパー!では裏側も含めた完全版も放送された。

 選手たちは「EAST HOPES」「WEST DREAMS」の2チームに分かれた。別々のユニフォームを着て9イニングを戦う。投手が多く野手が少ないため、かつて見たことのないポジションが目白押しで、ファンも驚きながら楽しんだ。プレイする選手たちは、皆一様に顔が輝いていた。内野で、外野で、マウンドで、打席で、子供のような笑顔を見せる。励まし合い歓声を上げ、伸び伸びと野球を楽しむ様が見て取れた。

 打ち合いとなった試合は後半接戦となり、選手のプレイにも熱が入る。WESTがリードし、EASTが逆転、WESTが再逆転。さらにEASTが土壇場追いつき、8-8の引き分け。内容の濃い熱戦となった。

大相撲とかでも、関取になったり幕内まで昇進した力士は「引退相撲/断髪式」が国技館(土俵ごと借りることもあれば、大広間でやることもあるそうです)を借りて行われるんです…が、関取まで昇進できなかったほとんどの力士は、その引退する場所の千秋楽の後の、千秋楽パーティーで断髪式を相撲部屋の関係者でやることが多いんだそうです。なので「ああ、こういう企画はいいなあ」と思ったのと同時に、「国技館での断髪式」ができなかった・昇進できなかった力士でもそれぞれのバックボーン、個性的な現役生活のそれがあるわけで、なんか「千秋楽パーティーの後に断髪式」をやる力士を思い出しちゃいましたねえ…。

※これは余談ですが、この国技館での断髪式は、借りられるのが「東京場所(1.5.9月)が終わった後の直後の土日のみ」という制約があるんだそうです。なのでただでさえ日程が抑えづらいのに、更にこのコロナ禍のせいで引退した元力士の日程が「大渋滞」していて1年2年待ちもざらではないとか。

あとは昔、巨人→中日→オリックスで活躍した西本聖投手の引退試合を多摩川グラウンドで、巨人でのチームメイトだった定岡正二氏の音頭で巨人・中日・オリックスで同僚だった選手たちが集まってかなり盛り上がった…ってのも思い出しますね。最後のバッターが長嶋監督が立ったって話も。

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本当にいい企画だねえ、これ。

で、記事に戻りますです。

「久しぶりにドキドキして熱くなりました」

 元東京ヤクルトスワローズの選手は4人が出場した。上田剛史、山中浩史は2020年シーズンを最後に引退。ブランクを経ての参加となる。そして中尾輝、大村孟は2021年シーズンに引退したばかりだ。彼らが企画を聞いたのは、この試合のほんの1ヶ月前だったという。

 上田は普段草野球でYouTubeを撮影したり、母校の野球部に指導に行ったりはしているが、本格的な野球の練習はしていない。

「決まった時にちょっと練習して次の日動けなくなったのでやめました(笑)。多分明日はヤバイと思います」

 そうは言いながらも打っては4安打。守備でもセンターで好プレイを見せ、内野もこなした。

「欲を言えばマウンドにも上がりたかったですけどね。本当に楽しく野球が出来た。久しぶりにドキドキして熱くなりました」

 ファンに向けても、この日は見せたい姿を見せることが出来たと頷く。

「まだまだ元気に楽しく野球が出来る姿を、引退した今でもそれなりにいいプレイが出来るところを見せたいと思ってました。今日やってみて、思ったよりは動けた。もっと、現役の時に近い形に、まだまだ戻せる年齢だとは思ってるんです。トレーニングしないといけないなと思いました」

 最近、自身の野球チームを結成するためにトライアウトも開催した上田。これからも元気な姿をファンに見せていくだろう。

「こんな試合をやってもらえる選手ではないので…」

 先だって行われた12球団合同トライアウトにも出場した中尾は、この日も2回無失点の堂々たるピッチングだった。真っ直ぐを見せたかったという中尾。しかし同じヤクルト出身の大村と山中と対戦した時だけは変化球を投げた。

「こんな試合をやってもらえる選手ではないので、やってもらえてありがたいと思いました。でもこれほど打ち合いになるとは思っていなかったです。最後の最後に監督に『もう1回いけるか』って言われて『もう限界です』って(笑) 。2回投げて肩パンパンになりました」

 トレーニングは続けているが、ピッチングはトライアウト以来だった。バッティングは高校以来。内野守備は絶対無理だから、と回った外野守備も、小学生の時以来だったそうだ。

「今日はめっちゃ楽しかったです」と笑顔を見せた中尾。今後は名古屋のクラブチームで野球を続けながら、小中学生に野球を教えていきたいという。Instagramでも発信を始めている。

 大村は、中尾のドラフト同期だ。この日も車で中尾を迎えに行き、一緒に球場入りをした。チームが分かれたため、「中尾から打ちます」とInstagramでも意気込みを語ったが、「こいつスライダー投げよったんです」と凡打に不満げだった。

 それでもこの日は持ち味の鋭いバッティングを見せていた。第1打席、いきなりの三塁打では、「足がもつれそうだった」と言いながらも全力でダイヤモンドを駆けた。

「実家が遠いので両親は呼んでいないんですけど。一昨年去年と、最後まで『野球観たかった』と言われたんです。来られなくても、映像で見せることが出来たんで、そこは良かったと思います」

 本来投げる予定だった山中の代わりにマウンドにも上がった。本職の捕手では「内さんがすごくキャッチャーしたいっておっしゃってたんで」守ることはなかった。

 大村はヤクルトの球団スタッフとなることが決まっている。この日見られなかったマスク姿も、この先ブルペンキャッチャーとしてずっと見せていくことになる。

「スタッフもいい人ばかりなので、仲良くやっていければいいかなと思います」

 明るく笑う大村は、これからブルペンでのムードメーカーになりそうだ。

「今日は本当に心の底から野球を楽しめました」

 この日登板を回避した山中は、「上半身のコンディション不良です」と笑わせた。キャッチボールはしていたが、引退してからこれまで全く体を動かしていなかったため、「投げたら肩ぶっ飛んで(笑) 準備の大切さを知りました」と登板はせず。サードから大きな声を送った。

「プレイ出来ない分しっかり声を出しました。試合が終わって、野球は楽しいなと改めて感じました。今までプロ野球選手として必死にやってきましたが、今日は本当に心の底から野球を楽しめました。こういう楽しさを、私たちは子供たちに伝えていかなければと思います」

 故郷熊本や、入社したヤクルト本社主催の野球教室では子供たちに指導をしているが、それ以外ではボールも握っていないという。

 この1年は、ヤクルト本社で営業という新しい仕事に打ち込んできた。まだ仕事には全く慣れていない。毎日が勉強期間だ。もしまたプロ野球OBとして登板の機会があったら?という問いには首を振る。

「もうするのはいいですね。見る方で(笑) 。はい」

 試合の終わりには、セレモニーがあった。プロ野球を卒業する17選手が並び、これからの未来を担う子供たちが花束を渡す。その日訪れたファンがカメラの前で選手たちに「ありがとう」「これからも応援しています」とメッセージを送る映像が流れる。コロナ禍での心づくしは、シンプルだが胸に残った。

 そのまま終わったかもしれない彼らのプロ野球人生に、最後の1ページが加わった。別の道で野球を続ける者、全く新しい仕事に就く者、野球に関わる仕事をする者と、それぞれが新たな道に進み出す。その背中を押すように、ファンが心を込めて見送る。彼らがプロ野球を思い出す時、ファンが彼らを思い出す時、きっとこの日の笑顔が思い出されるだろう。

 毎年多くの選手がプロ野球を引退する。選手たちが自分と野球を見つめ直し、新たな道へと歩き出すためのワンステップ。その時間をファンが共有し、見送ることが出来る舞台として、こうした合同引退試合が恒例になればと願う。

うーん、これは本当に「いい企画」だなあと思いますねー。ほんとうの意味での「卒業式」「次へのセカンドキャリアへのスタート」という意味でも。

トライアウトに参加するのがその意味合いで…という選手も何人もいるようですけど、こんな感じの「合同引退試合」ってのもいいですねえ。

で、こういうのはまあ経費がかかるのはパーソルさん(←さすが「パ・リーグTV」のスポンサーさんだなあ、ほんとに粋だなあ(感涙))みたいな後援スポンサーさんを何社か集めるって感じで頑張っていただいて、ネット中継や後日、J Sportsさんでたまに放送されている「ドキュメンタリー 〜The REAL〜」(←実は結構好きで見てます、この番組(笑))のようなスポーツドキュメントの番組で…という形で構わないんで、スポットライトを当ててほしいなあと思いますです。

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