相撲協会理事選。貴乃花親方落選は「虎に翼をつけて野に放つ」ようなものだ。

貴乃花親方は2票で落選 日本相撲協会の理事候補選(NHKニュース)

という結果に。ただこれで相撲協会の執行部や主流派が大喜びして万事解決…と思ってんだったら、本当にお目出度い連中だな、と思うわ。

日本相撲協会の新しい理事候補を選ぶ選挙は2日午後、東京・両国の国技館で行われ、5期連続の当選を目指した貴乃花親方は落選しました。

日本相撲協会の新しい理事候補を選ぶ選挙は、10人の定員に対し、11人が立候補を届け出て、2日午後2時から東京・両国の国技館ですべての親方101人による投票が行われました。

投票の結果八角理事長をはじめ、現職の7人と新人3人の合わせて10人の当選が決まり、2票にとどまった貴乃花親方が落選しました。

貴乃花親方はこれまで4期連続で理事を務めてきましたが、元横綱・日馬富士による傷害事件への対応をめぐって先月、理事を解任されたばかりで今回の選挙では新人の阿武松親方を一門の優先候補として擁立し、みずからは一門を超えた支持の広がりを目指していました。

貴乃花親方は5回目の選挙で初めての落選です。

また、合わせて行われた副理事の候補選挙では貴乃花一門が擁立した無所属の錣山親方が落選しました。

当選した10人の親方は理事候補として、来月の春場所後に理事選任の権限を持つ評議員会に推薦されます。

…と言っても、貴乃花一門は阿武松親方を当選させて、従来の理事の椅子はキープしてるんでしょう?それだったらこれはもう「貴乃花の勝ち」なんじゃないだろうか。

だって執行部や主流派の連中は、貴乃花一門を切り崩せなかったんだから。彼らにとっての「勝ち」は「貴乃花を落選させる」ことではなく、「貴乃花と阿武松を落選させて、貴乃花一門の理事を消滅させて、一門の力を弱める」ことでしょうからね。

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「虎に翼をつけて野に放つ」ようなものだ。

このニュースを見て、思い出したのが「虎に翼をつけて野に放つ」という言葉でしたね。かつて、民衆からこの「虎に翼をつけて野に放つ」ようなものだ、と言われた歴史上の人物がいました。

飛鳥時代に天智天皇という大化の改新で蘇我氏を滅亡させた天皇が居ましたが、この天皇には大海人皇子(のちの天武天皇)という兄弟がいましたが(一部では兄弟ではなかったという説もありますがまあここでは触れません)、「日本書紀」によると、その天智天皇が亡くなる直前に、息子となる大友皇子か、弟の大海人皇子のどちらに皇位を継がせなくてはならなくなった際に(天皇は息子に継がせたかったようです)、枕元に弟を呼び、「お前に皇位を譲る」と言ったんだそうです。

ところが、「それは怪しい。次の天皇を継げるかわいい息子がいるのにそんな事を言い出すなんて…、きっと俺が了承したら兄貴は俺を殺すつもりなんだろう」と察した大海人皇子は、「私は病弱ですし、天皇の任務には耐えられません。ですから、出家して身を引きます」と言って天皇の許しを得て、手持ちの武器を全て国に差し出して、奈良の吉野に篭ってしまったんだそうです。

で、この時に言われたのが「あの人を吉野に逃がすなんて、虎に翼をつけて野に放つもんだろ」という言葉でした。実際、大海人皇子は天智没後、「壬申の乱」を引き起こして、天智の息子の大友皇子(弘文天皇)を殺して滅ぼしてしまい新政権を樹立し「天武天皇」となるのですが、まさにこの言葉通りの結果となったわけですね。

※もっとも日本書紀じたいが天武とその一家の政権が作らせた歴史書なので、どこまでが本当なのかは怪しいところではあるのですけどね。

以前も書きましたが、貴乃花親方の最大の欠点は「相撲馬鹿が過ぎて、彼を支える有能なブレーンがいない」だと思うんですよね。本来だったら兄弟子の元大関・貴ノ浪の音羽山親方あたりが務めて然るべきだったんでしょうが、残念ながら若くして亡くなってしまいましたしね。

そこをおそらく貴乃花一門の中である程度の会合や話し合いが行われて、その役割、というか先輩であり年上の元・益荒雄の阿武松親方がブレーン、まあ正確には相棒であり兄貴分であり後見人のような形で、貴乃花の代わりに矢面に出ることを決意したんでしょうね。この親方は弟子の育成には定評があるんですが、その弟子が野球賭博問題とかで逮捕されたりして、いったんは平年寄まで降格した苦い経験もしたことがありましたので、「酸いも甘いも噛み分ける」経験もされているので、矢面に立つのは平気だし、せめて貴乃花親方の右腕代わりに…ということなんでしょう。

となると、個人的に思うのは、「たぶん貴乃花親方、その一派、そして反主流派は、角界のスキャンダルリークをどんどんやっていって、揺さぶりをかけていくんだろうなと。まあそういう戦い方もありますね。理事になることだけが角界の権力を掌握するわけじゃねえぞ、と。

八角理事長以下執行部が聡明かボンクラなのかは…。

貴乃花親方も北の湖理事長の頃は危機管理委員会のトップの方にいたそうですし、そこらへんの「ブラックボックス」的な情報も少なからず把握はしてるでしょう。

昭和の大横綱でありカリスマもあって理事としても有能の部類に入ってた北の湖理事長だからこそ「これは表沙汰にしないで内々で済ませてた」話が、今後は、「やさしい、いろんな意味で和を重んじる」八角理事長、そしてその周りの執行部に対して揺さぶりをかけることなんかは…まあ、特段難しいことじゃないでしょうね。下手すれば横綱大関、または親方衆が引退に追い込まれるような「ネタ」のひとつやふたつぐらいは持ってるんじゃないのかなあ。

だからこそ、貴乃花を「理事」として身近に置いといて、「理事会に、相撲協会の運営に協力しろ」って言えてたんですよね、彼が理事の一員であった時は。それが日馬富士の暴力事件の時の対応で非協力的な言動で理事解任という処分を加えることができたわけですから。

ま、八角政権が理事選に落ちた貴乃花をどこらへんの職務に充てるか、いわゆる「職務分掌」をするのかは知りませんけど、「有能な」理事長だったら、まず副理事のひとつ下の「役員待遇委員」に据えて、更にちょいとした責任役職を与えて、少なくても八角理事長の傍からは離さないようにしますね。少なくても目の届かないような閑職には据えないでしょう。これが北の湖理事長だったら手元において貴乃花を意図および実行力を無力化するぐらいに近いポジション(協会ナンバー2クラスあたり)に置いて、更に責任与えて「反発するヒマもないぐらいに」仕事をさせて、言葉は悪いですが部屋の指導もできないぐらいに「酷使する」でしょうね。

そこらへんの采配次第で、八角理事長以下、執行部の連中がどこまで頭がいいか、逆に言えば「この理事選の結果で、本当に解決して安堵の表情になってるかどうか」がわかるでしょうね。いやあ本気で「貴乃花を潰したぞ、今夜は祝杯だ」とかやってそうで怖いなあ、特に春日野あたりは。てめえ自身の元弟子の民事訴訟はまだ片付いてねえのになと(失笑)。

ちなみに過去の例でいうと、名理事長と言われた、双葉山→時津風理事長の頃や、栃錦→春日野理事長の頃は、副理事という制度はなく、理事の下に役員待遇という制度があって、そこのポジションに自分と同輩の親方衆や、むしろ後輩の「後に相撲協会の理事となり執行部の一員となる」ような面々を、一門・派閥に関係なく、それこそ「能力次第」で抜擢して、様々な改革や隆盛を成し遂げていったんだそうです。さて、どこまで八角理事長に危機意識があるか、だねえ。なんか「いい人」っぽいから、理事の中の派閥争いに口を出せずに困ってそうなんだけどね(爆)

だからむしろこれは「貴乃花の思い通り」の展開じゃないのかなーって思うんですよね。今がゴールじゃなければ、確実に貴乃花はこの経験(プライドの高そうな貴乃花から見ると、理事解任から一連の流れをまとめて「挫折」になるかもしれませんが)も、近い将来の理事長になる前の糧にしていくことになるでしょうね。あとはそれに備えての健康面の維持だろうなあ。

 

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