・【甲府】上野展裕監督、今季限り退任(スポーツ報知)
昔、独ソ不可侵条約が締結されて「欧州の天地は複雑怪奇なり」という声明を出して内閣総辞職をした平沼騏一郎という総理大臣がいましたが…まさにその気分だ。今季の甲府の不調は「外的要因」が大きいと言うのに。
甲府の上野展裕監督(53)が今季限りで契約満了により退任することが22日、複数の関係者の話で分かった。一両日中にも正式発表される見込みだ。
上野監督は、成績不振により解任された吉田達磨氏(44)の後を受け、シーズン途中の4月末に就任。攻撃サッカーで5月には4連勝を飾るなど一時はチームをV字回復させたが、夏場には守備が安定せず17試合連続失点するなどして失速。ルヴァン杯や天皇杯ではクラブ最高タイの8強に進出した一方で、J2リーグ戦では9位に終わり1年でのJ1復帰を逃していた。
関係者によると来季こそ昇格を達成すべく、J1やJ2で指揮経験のある人物が後任候補に複数リストアップされているという。
今朝方、ヴァンフォーレ甲府の「機関紙」的な山梨日日新聞が先行してこのニュースを報じてたんですけどね。
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火中の栗を拾ってくれた御恩は決して忘れない。
それにしても…と思うのは、昨年J2降格が決まった時点で、吉田達磨氏を監督として留任させたのにシーズン序盤でなかなか点が取れずに更迭して、山口の監督などを歴任してた上野展裕氏を招聘、というか「火中の栗を拾う」かのごとく甲府のピンチを助けてくれたんですけどね…。
現実に「if」は付き物だしそれを言っちゃあキリがないのはわかってるんですが、「もし吉田達磨氏を昨年末の時点で退任させてれば」とか「今季最初から上野展裕氏が監督として就任していれば」「もしGW以後もぐっと堪えて吉田達磨氏が監督をやってたら…」などのifを思うと、このタイミングでの退任はあまりにも残念がすぎる。
それと冒頭の「外的要因」というのは、言うまでもなく今年のルヴァンカップ。昨季のJ1の16位と17位は今年のルヴァンカップも参加する事になっていて、甲府はルヴァンカップも天皇杯もベスト8まで残るほど、カップ戦では調子が良かったんですね(そのかわり、1億円ちょっとの補助金だか補填金が出てたそうですが…)。そのかわり、他チームに比べると圧倒的に試合数が激増して怪我人も続出するわ、おかげでチームのやりくりができねえわ、いっそターンオーバーを試したら金沢戦でボッコボコにされるわ、と、「何の罰ゲームだ、これは」的なシーズンだったのも事実だったわけで。
特に点が取れてたバホスと小塚(更に金園あたりも)が怪我で離脱して、更にリンスがFC東京に移籍して「どう戦うんだ、これ?」と。あれではどんな名指揮官でも無理でしょうよ。ハリルホジッチ氏や星野仙一氏だったらベンチの裏で暴れ狂ってるとこだと(以下略)
そういう意味では過密日程というハンディを背負わずに来年、どう戦うんだろうなというのは見たかったような気がしますな。特に今年の甲府は20代の若手の選手がどんどん台頭してきて「がっちり後ろで守りを固めてたまにカウンターで攻める」だけではなく「自分から前がかりに攻める」シーンも増えてただけに。
いやあ残念だ。でも火中の栗を拾ってくれたその御恩は忘れませんわ。しかし本当にJ2って、「魔境」であり、複雑怪奇なり…だ。
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