湘南ベルマーレのチョウ監督には「名参謀かつ緩衝材」的なコーチはいないのか…。


Michal JarmolukによるPixabayからの画像

【湘南】曹貴裁監督にパワハラ疑惑、Jリーグが今月中にも調査へ(スポーツ報知)

「熱血漢」というのはとてもよく知られているチョウ・キジェ氏ではあるが…いやあこれはまた。

サッカーJ1湘南の曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(50)が、所属選手やスタッフに暴言などのパワーハラスメント(パワハラ)を行っていた疑いがあることが11日、分かった。Jリーグは被害者や目撃者、関係者らから報告を受けており、今月中にもクラブや本人から事情を聞く方針を固めたもようだ。チョウ監督はこの日のJ1第22節でも指揮を執り、チームは磐田に3―2と逆転勝ちした。

 Jリーグは曹監督からのパワハラ行為を訴える複数の当事者、目撃者の声を受け、事実関係の調査を始める。今月中にも同監督やクラブ側へのヒアリング調査を行うとみられる。

 複数の関係者によると、曹監督は少なくとも2018年2月~今年7月までの間、神奈川・平塚市内のクラブハウスや試合会場などで選手やチームスタッフらに、高圧的な態度や暴言を繰り返した疑いがある。

 同監督は、複数人の前でチーム関係者の能力を疑問視したように「どれだけ無能なんだ」「お前はウソつきだ」などと人格を否定するような発言を行った。また机をたたいたり、扇風機を蹴りながら選手に罵声を浴びせる行為が日常的にあった、とされる。

 精神的な苦痛や過度のプレッシャーから練習場に行けず、うつ病などを発症した関係者もいたという。クラブ親会社の「ライザップ」関係者によると、同社から今年1月に出向したスタッフは精神的に追い込まれ、6月からチームを離れたという。クラブの幹部は取材に「現地点で調査が入るという情報は聞いていない」、広報責任者は「クラブ内で問題にしているようなことは全くありません」と話した。

 2012年に厚生労働省が定義したパワハラの概念は〈1〉優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること〈2〉業務の適正な範囲を超えて行われること〈3〉身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること―の3基準を満たす行為としている。Jリーグは同監督の行為が該当するかどうか、慎重に調査を進める。

 日本サッカー協会は2013年に暴力根絶相談窓口を設置するなど、暴力・暴言の根絶に向けた対策を進めてきた。今年5月にはスポーツ界でパワハラなどが相次いだことを受け、新たに指導者の懲罰基準を定めている。Jリーグの広報担当者は「何も話せません」とした。

 曹監督は12年に湘南の監督に就任し8季目。「湘南スタイル」と呼ばれる運動量を武器とした躍動感あふれるスタイルで、昨季はルヴァン杯のタイトルを獲得した。

で、「発覚のきっかけ(?)」というのがクラブの親会社になったライザップから出向してきたスタッフが精神的に追い込まれ…というのがなんとも凄い。いやいや、あれほどお客さんをハードなトレーニングや食事改善等であれやこれで追い込む形でダイエットとかを成功させてるライザップさんのプロパーなスタッフが追い込まれるとはなんと苛烈な…(;゚Д゚)

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熱血漢の監督には「島野育夫コーチ」みたいな人が絶対に必要。

ま、詳しくはJリーグなどの調査を待たないと何とも言えない話ではあるんですが、個人的には「8年もやってると形も関係も変わってしまう」ことはままあるもんだな…というのはなんとなく感じますけどね。

例えば、チョウ監督の体制がうまく行ってるがゆえに、湘南のチームの上層部が彼に丸投げする形になるとか、あまりにもワンマンになりすぎちゃうとか、言葉は悪いが「ワンマンになる傾向もある」「監督の信奉者しか残らなくなる」とか。

日本のプロスポーツだと、プロ野球もそうですけど、Jリーグなんかも同じ監督が8年も続けている例は近年ではかなり珍しい話で、思えばアマチュアスポーツでも、何十年も監督をやってる高校・大学なんかでもなまじっか「長期政権」になったせいで意思疎通等の風通しが悪くなった話も結構聞きますしね。過去の「名将」でいえば、ラグビーの明治の北島御大しかり、関東学院の春口広監督しかり。そこらへんは日ハムの清宮幸太郎選手の親父…もとい、早稲田→サントリー→ヤマハの監督を歴任した清宮克幸監督(今はラグビー協会のお偉いさんになったそうですが)なんかは、かなり言動はアレでアンチも多かったしそれなりに物議を醸すことも多かったですけど、その分、しっかりチームを作り上げて結果も残した上で、契約期間と決めて「目標を達成したら、やめる時はスパッとやめる」という姿勢は、あれは逆に凄いなあとは思いますね。

特に「名将が(何もないとこから辛苦を重ねて強豪に鍛え上げて)なまじっか長くやりすぎていて、更にコーチやスタッフがその名将の教え子ばかり」みたいなとこは残念ながら5年に1回、10年に1回の割合でそういうトラブルが起きてる傾向が強いなあ…というのが印象としてはありますね、特に学生スポーツの場合は卒業・進級・入学での選手の入れ替わりがありますから。どんなに天才級の選手だとしても留年してまでずっと居られるわけではないので。

※だからこそ、帝京大が「驚異の」ラグビー大学選手権9連覇を達成するまでの40年近くの間、1980年代に達成した同志社大の3連覇を更新するチームが出てこなかったんですけどね。早稲田も関東学院も明治も大東文化大とかも2連覇までは行くんですけど…選手の入れ替わりには苦労してた証左でもありました。

で、話をJリーグに戻しますと、このJリーグなんかでも移籍が物凄く多いのが特徴で、特に湘南のような(うちで贔屓にしてる甲府もそうですが)J1とJ2をいったりきたりしてるチームだと、J2をぶっちぎって優勝してもシーズンオフに(下手するとJ2をぶっちぎってるそのシーズンの途中に)、主力が他の直接対決するチームに引き抜かれて戦力ダウンした状態で戦わざるを得ない事も珍しくないわけですしね。だとすると、物凄いプレッシャーでいつも戦ってる監督としては「俺も頑張ってんだから、お前らスタッフも俺と同じぐらい頑張れ」と、時には精神的に追い込むことを言っちゃうのかもな…と、そんな事も考えてしまいますね。まあだからといってパワハラを黙認・奨励するというわけでは絶対にないのですけど。

そこらへんは、チーム自体がちゃんと「機能」して更に熟していれば「緩衝材」的なスタッフ、例えばヘッドコーチしかりゼネラルマネージャーしかり、監督が熱血漢であればあるほど、「監督はこうは言ってるけどさ、でもな…」と、それを陰でしっかりフォローするようなスタッフをしっかりと設置して、そういうのが”湘南では”もしかしたら機能してなかったのも問題だったのかもね、なんて思うんですけどね。

たとえば、プロ野球で言えば、監督になりたての頃は選手に暴力も辞さなかった中日時代の星野仙一監督に、しっかりと「島野育夫コーチ」という名参謀かつフォロー役がついていて、その星野氏とそりが合わなかった落合博満選手をして「星野監督がやりたい放題やってた中日で、あのコーチだけは選手の不平不満をちゃんと聞いてやり、ストレスの解消と緩衝材としての役割をしっかりと果たしていたもんだ」…と、後年言ってたような人がこれほどの名将たるチョウ監督にはいなかったのか、と。そこらへんだけは、先日ヘッドコーチのパワハラで問題になったBリーグの香川よりも、チーム規模も資金も歴史もノウハウも格段にあるだけに…ねえ、と(苦笑)。

だからこそ「残念」の一言に尽きる。

ま、今後、チョウ監督や湘南がどうなるのかは…正直予想がつかないんですけど、あの戦力・チーム規模…具体的には言えば「10年以上もJ2でくすぶってたチーム」を、この8年で3度のJ1昇格を果たしている手腕は間違いなく評価されるべきで、そこらへんにケチがついてしまうのは「残念」の一言に尽きますね。

と同時に、もしチョウ監督がこのまま退任したら「あんだけ集めた選手を鍛え上げて、走れ走れでスタミナ切れを起こさないチームを作れるのは凄すぎる」とか「うちだったらもっとうまくあの人を使いこなせる自信がある」と、パワハラ疑惑に関しての多少の冷却期間は置かれるとしても、2-3年後には彼を欲しがるチームは少なくないと思いますけどね。無論、その際には、この「湘南スタイル」を再現させつつ、チョウ監督と選手・スタッフの間に「緩衝材的な」名参謀も招聘するんでしょう。

さて、Jリーグの調査結果を待ちましょうかね。

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